もう1年以上前のことになりますが、親しくしている知人の紹介で日本調剤の人たちとお会いしました。
日本調剤というのは、医療機関で処方された薬を調剤する調剤薬局などを中心に事業を展開している企業です。
なぜそのような企業の人たちと会うことになったかというと、日本調剤が「お薬手帳」をアプリ化したことをきっかけに、「こころのスキルアップ・トレーニング」と連携できないかという話をいただいたからです。
私は喜んでお会いすることにしました。
その理由はいくつかありますが、これまで紙のノートだった「お薬手帳」がアプリ化されたというのは、それだけで画期的なことだと考えたのがひとつです。
もちろんノート形式の「お薬手帳」でも、クスリの飲み合わせや重複処方、副作用や病歴のチェックはできます。
電子化されると、それに加えて、カレンダーやアラームを使って通院日や服薬時間の管理ができるようになります。
病院に行くのを忘れたりクスリを飲み忘れたりすることが防げるのです。
クスリを処方通りに飲んでほしいというのは、医師が誰でも考えることです。
しかし、医療機関で処方されたクスリをきちんと飲んでいる人ばかりではないという研究の結果がたくさん報告されています。
その中には、クスリを飲むこと不安を感じている人もいます。
その場合には、気になっていることを医師ときちんと話しあう必要があります。
ただ、クスリを飲まないといけないとよくわかっていて、きちんと注意をしていても、ついうっかり飲み忘れてしまうことがあります。
私たちはほとんど自分の行動を意識しないで行っています。
意識しないで行動することは、スムーズに行動するためには必要なことなのですが、それは飲み忘れなどのミスの原因にもなります。
こうしたミスを少なくするには、必要に応じて行動を思い出させる工夫が役に立ちます。
これはまさに認知行動療法の発想で、どのような病気の薬であっても使えます。
電子版アプリは「お薬手帳」と認められていないため、アプリの導入自体は調剤報酬に繋がることはないそうですが、それでもアプリを導入することにしたそうです。
私が協力した「こころの休憩室」のコーナーが組み込まれたアプリ「お薬手帳プラス」は、Android版、iPhone版の両方でリリースされていますので、探してみてください。