先週のメルマガに書きましたが、私はこれまでこころが折れそうになったことが何度もありました。
でもそうしたときには、なぜか手を差し伸べてくれる人がいて、さらに一段上に進むことができました。
高校で落第をしたときには、仲間や教師の手助けもあって成績がぐんと上がりました。
大学入試で落ち続けて苦労したときも、最終的には、考えてもみなかったような良い大学に入ることができました。
アメリカ留学のときも、最初はまったく受け入れられず苦労しましたが、途中からは、認知行動療法を学ぶことができたり、世界保健機関WHOやアメリカ精神医学会の仕事に参加できるようになったりしました。
そうしたこともあって、いつの頃からか私のこころのどこかに、困った状況になっても誰かに助けてもらえるという考えが宿るようになりました。
でも、助けてもらったという体験が積み重なって助けてもらえるという考えを持つようになっただけでなく、その逆もまたあったように思います。
成績が悪かった高校時代のことですが、私の親が、「いつか誰かが助けに来てくれるという考えが強すぎるのではないか」と担任の教師から言われたと話していたのを思い出します。
担任の教師は、人に頼らずに自分の力で頑張るようにならなくてはダメだと言いたかったのでしょう。
しかし、今になって考えてみると、誰かに助けてもらえると思っていたから、他の人から差しのばされた手を自然に受け入れることができたのではないかと思います。
認知行動療法でよく使われる表現に、自分で実現する予言があります。
これはだいたいが、うまくいかないのではないかと考えていると実際にうまくいかなくなるものだという意味で使われます。
うまくいかないのではないかと考えていると、緊張して腰が引けます。
そうすると、本来持っている力を発揮できず、失敗に終わってしまうことになります。
このように良くない結果を予言すると良くない結果に終わりやすいのですが、逆に、私のように良い結果を予言していると、良い結果に終わることが多くなるようです。
他の人の手助けも同じですが、良い結果を予測していると、良いことが起きたときにタイミングよくそれを捕まえることができるからです。
こうしたことからも、私たちの性格や考え方のクセが、生きていく上での強力な武器になっていることがわかります。