新年度が始まりました。
慣れない職場や学校で緊張している人も多いでしょう。
以前からその環境にいる人も、新しい人が加わるなどして、雰囲気が変わり、ちょっとした緊張感を覚えているでしょう。
このように新しい雰囲気の中で緊張したり不安になったりするのは、とても大事なこころの変化です。
慣れない環境でまったく緊張したり不安を感じたりせずにどんどん作業を進めていくと、思いがけない失敗をする可能性があります。
ほどほどに緊張することで、集中力が高まって仕事や勉強に取り組むことができるようになります。
不安になって、あれこれ考えることで、丁寧に事前の準備ができるようになります。
いつも書いていることですが、不安や緊張は自分を守るために必要なこころの動きです。
ですから、不安を感じたときには、その気持ちを受け止めながら、具体的に何を心配しているのか考えてみてください。
自分が何を心配しているかがわかれば、具体的な対処法も見えてきます。
そうすれば自然に不安は和らいできますし、問題に適切に対処できるようにもなります。
その意味で、不安を感じた時というのは、問題に対処するちょうど良い期会でもあるのです。
それに、不安や緊張はそう長く続きするものではありません。
たしかに、不安や緊張はそう気持ちの良いものではありません。
だからといって、それをなかったものにしようとすると、かえって不安が続くことになります。
子ども向けに認知行動療法を紹介した『子どものための認知療法練習帳』という本のなかで、不安はシャボン玉のようなものだと書かれていました。
シャボン玉は、ふわふわと空中に漂って、しばらく経つとパンとはじけて消えていきます。
不安も同じようにつかみ所のない感情です。
しかし、しばらくたてば消えていきます。
だから、慌てないことです。
慌てないで現実に身をまかせ、現実の問題が何かを考えてみるようにしていると、自然に不安はやわらいでいきます。