先週末、認知行動療法教育研究会の関東、中部、四国の3地区の研修会が開かれました。
認知行動療法教育研究会というのは、認知行動療法を教育場面にいかすことを目的に、教員を中心に関連する職種の人が集まった組織で、いろいろな地域で研修会が開かれます。
私は、関東地区の研修会の2日目に参加しました。
テーマは怒りのコントロールです。
怒りのコントロールは、教育研究会が対象としている思春期に限らず、あらゆる年代で重要です。
しばらく前には「暴走老人」という言葉が話題になりましたし、電車や駅で中年の会社員らしき人が口論をしているのもよく目にします。
怒りのコントロールのコツは、反射的な「反応」ではなく適切な「選択」を意識することです。
そして、適切な「選択」ができるためには、最初の怒りの高まりを上手にやり過ごす必要があります。
カッカした状態では、冷静で適切な判断ができないからです。
今年の4月の「こころトーク」で怒りのコントロールは波乗り(サーフィン)を思い浮かべるとよいと書いたのはそのためです。
怒りなどの感情は、海岸に打ち寄せる波のように急激に高まり、そして次第に弱まっていきます。
これまでに腹が立ったときのことを、ちょっと思い出してみてください。
今も同じような感情が、同じような強さで続いているでしょうか。
あまりにひどかったことは思い出して腹が立つことがあるにしても、同じような状態がずっと続くことはほとんどありません。
怒りのような感情というのは一時的なもので、上手に対処できれば、高い波が長時間続くことはないのです。
そのためには、怒りを感じていることをに気づいて静かに立ち止まること(静止)がまず大事です。
そして、深く息をついて気持ちを静め、何に怒りを感じているのかこころの中を振り返り、適切な行動を選ぶようにします。
これが、「静止―深呼吸―内省―選択」という怒りをコントロールするための4ステップです。
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◆大野裕先生講演会情報
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【1】
平成29年度メンタルヘルス講演会
「うつ病に効く処方箋~うつ病の正しい知識と対処法~」
日時:2017年9月22日(金) 14:00開演
会場:ウェスタ川越 多目的ホール 全面
●詳細や申込み方法については、下記URLリンク先をご覧ください。
http://www.westa-kawagoe.jp/event/detail.html?id=822
【2】
第51回日本作業療法学会
市民公開講座「日々の生活にいかす簡易型認知行動療法」
日時:2017年9月24日(日)10:40~12:10
会場:メイン会場(ホールC)
●詳細や申込み方法については、下記URLリンク先をご覧ください。
http://web.apollon.nta.co.jp/ot51/program.html