予定通りに物事が進まなかったときにショックを受けないように悪い可能性を考えるようにしている、という人がいます。
うまくいくだろうと考えていて失敗するとショックが大きいが、うまくいかないかもしれないと考えていれば、うまくいかなくても予想通りだったと考えて諦めがつくということのようです。
図に乗っていると後で痛い目にあうと考えて、自制しようと考えているのです。
逆に、予想外に物事がうまく進めば、思ってもみなかったことだけに嬉しさも増すと考えています。
ちょっと話を聞いただけだと、なるほどと思ってしまいます。
じつは、私も同じような考え方をすることがあるので、あまり違和感なく聞こえます。
しかし、こうした考えた方は、逆に自分を苦しめる可能性が高くなるので注意しなくてはなりません。
最大の問題は、漠然と「うまくいかない」ないしは「うまくいかない可能性がある」と考えているところにあります。
このようにうまくいかない可能性を考えると、当然のことながら緊張してきます。
意識的には「うまくいかなくても大丈夫」と考えているように思っていても、気づかないところで「失敗したら大変だ」と考えているのです。
そもそも、「失敗したら大変だ」と考えているからこそ、「うまくいかなくても大丈夫」と考えようとしているのでしょう。
さて、緊張すると、体もこころも思うように動かなくなります。
萎縮して、思い切った行動ができにくくなります。
せっかく持っている本来の力を発揮できなくなるのです。
こうしたときに大切になるのは、どこが大丈夫で、どこが大丈夫でないかを冷静に判断する姿勢です。
その上で大丈夫と思えない部分に目を向けて、どのようにすればその部分が改善するかを検討し、成功できるように準備することが大事なのです。
そのようにしていれば、もし仮にうまくいかないことがあったとしても、何が良くなかったかを冷静に判断することができます。
そうすれば、その失敗が後に尾を引かないですむだけでなく、失敗を今後にいかすことができるようになります。
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◆大野裕先生講演会情報
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【1】
第51回日本作業療法学会
市民公開講座「日々の生活にいかす簡易型認知行動療法」
日時:2017年9月24日(日)10:40~12:10
会場:メイン会場(ホールC)
●詳細や申込み方法については、下記URLリンク先をご覧ください。
http://web.apollon.nta.co.jp/ot51/program.html
【2】
長野うつ病市民公開講座
「こころを元気にする10のレッスン」
日時:2017年11月5日(日)10:30~12:00
会場:ホテル国際21 3F千歳の間
●詳細や申込み方法については、下記URLリンク先をご覧ください。
http://goo.gl/iszPEM