先週、提案をするときのコツ「み・かん・てい・いな」について書きました。
その中で書いたように、見(“み”)える事実と感(“かん”)じている気持ちをバランス良く表現できれば、自分の提(“てい”)案が伝わりやすくなります。
事実に基づいた“知”的な内容と、率直に気持ちを伝える“情”調的な内容を話のなかにうまく組み込むことで、知と情のバランスがとれた話ができるようになるのです。
しかし、それでも否定される(“いな”と言われる)ことがあります。
そうしたときには代案を出すようにすれば良いのですが、心配性の人は、先回りして相手の気持ちを否定的に読みすぎて、次々と一方的に代案を出し続けることがあるので気をつけなくてはなりません。
不安に動かされて悲観的に考えすぎるようになって、知と情のバランスが崩れてくるのです。
こうした状態になるのは、心配性の人だけではありません。
通常はそんなに心配性ではないと思っている人でも、自分の提案に自信がないときには同じような状態になってきます。
「こんな提案だと相手から否定されるだろう」と考えて不安が強くなってくるのです。
そのために、「これはどうだろう、あれはどうだろう」と考えつく提案を次々と口にしてしまいます。
しかし、そんなに次々と提案されると、相手の人は一つひとつをじっくり検討することができないために、何を言おうとしているのかわからなくなって、話についていけなくなります。
そうすると、そのように理解できないことを次々と提案してくる相手に対して不愉快な感情がわいてくることさえあります。
せっかく相手に受け入れられたいと考えて提案しているのに、それでは逆効果です。
仮に断られることになったとしても、自分が言ったことを判断するだけの余裕を相手が持てるように配慮できていれば、その人との関係がひどく悪くならないですみます。
そもそも、自分の提案が相手の人に受け入れられるかどうかは、言ってみないとわかりません。
まず自分の提案や考えを伝えてみて、相手が判断できる余裕を与え、その結果出てきた判断に応じて自分の考えを伝え直していく。
そうしたことができるゆとりを持つことが人間関係では大切です。
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■講演情報
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【1】「こころの力を引き出す10のヒント」
日時 : 2018年1月6日(土)14時~16時
講師 : 大野裕
会場 : 七生公会堂(東京都日野市)
※お申込み・お問い合わせは下記URLリンク先をご覧ください
https://www.city.hino.lg.jp/news/index.cfm/detail.198.152817.html
【2】「こころが軽くなる10のヒント」
日時:2018年1月13日(土) 14時半~16時半
講師:大野裕
会場:イーグレひめじ3階 あいめっせホール
※事前申し込み不要、お問い合わせは下記電話番号まで
電話:079-288-5099