こころトーク

2018.03.09

第128回 「適材適所とチームの力」

平昌オリンピックは終わり、パラリンピックが始まりました。

オリンピックを観ていても、パラリンピックを観ていても、人間の心や体に隠された力の大きさに驚きます。

パラリンピックの選手の競技を観ていると、ハンディキャップを持っている人でも、それを補うだけでなく、それ以上の力を体内に秘めていることがわかります。

チーム競技になるとこうした個人の力がさらに生かされてきます。

オリンピックでは、カーリングやパシュートなど、団体であらそう競技で、それぞれの人の力が最大限発揮できるようにチーム編成を工夫していました。

そのことをとくに感じたのは、スピードスケートのパシュート競技を観たときです。

緻密に作戦を考えながら出場選手を決め、そして勝ち抜いていく様子に関心を持ちました。

体の大きい選手が先に立って壁になり、後続の選手の疲れを少なくさせる。

最終的にスピードの速い選手が先頭に立ってチームを引っ張っていく。

じつに見事なチームワークでした。

パシュートに限らず、チームで競技するスポーツではこうしたチーム編成が勝利の鍵を握ることになります。

企業など一般の社会でもチーム編成は同じように大切です。

人にはそれぞれ持ち味があります。

その持ち味を生かせるようなチーム編成ができるかどうかによって、スポーツでも企業でも、成果が違ってきます。

以前に、宮大工の西岡常一さんが書いた『木のいのち 木のこころ』という本を読んだことがあります。

宮大工というのは法隆寺など大きい寺社殿を建てる大工のことですが、こうした大きい建物を建てるときには山全体の木を使うようにすると西岡さんは書いています。

山にはいろいろな木が立っています。

北側に立っている細い木、南には太い木、風が吹きつけそれに耐えて右に曲がった木、左に曲がった木、じつに様々です。

西岡さんによれば、こうした木はそれぞれに必要な場所があり、それをうまく生かしながら組み立てていくことで、千年以上変わらない姿で立ち続ける建物ができるのだそうです。

おそらくそうした考え方は、表から見える建物だけでなく、それを支える土台にも生かされているのでしょう。

スポーツの世界では、選手と補欠の共同関係があってチームの力が生きてきます。

オリンピック・パラリンピックにいろいろと刺激を受けている私です。

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★「マイあさラジオ」大野先生出演回が再放送
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「NHKマイあさラジオ」健康ライフが、
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再放送は3月12日(月)からの5日間です。

▼NHKマイあさラジオ公式サイトはコチラ
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※「健康ライフ」コーナーは朝5時36分以降です。

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