今週は、問題解決についてお伝えした前回からの流れで、「問題の絞り込み」について説明することにします。
問題にうまく対処できずに悩んでいる人は、この「問題の絞り込み」ができていないことがよくあります。
いくつもの問題に同時に取り組もうとしていたり、大きな問題を一気に解決しようとしていたりしていて、自分が持っている力をうまく発揮できないのです。
いくつもの問題に同時に取り組もうとすると、エネルギーが分散して、せっかく持っている自分の力を活かすことができません。
自分の力を活かすためには、一つの問題に絞り込んで、そこに集中する必要があります。
そのときに、解決できそうにない大きな課題に取り組むのも好ましくありません。
中学生や高校生が、学業やスポーツで良い成績をあげたいと考えている場合を想像してみましょう。
成績を上げたいと考えたとしても、今そんなに良い成績でないとすれば、一気にクラスのトップの成績になったり、スポーツの全国大会で優勝したりするというのはまず無理でしょう。
冷静に考えれば誰にでも分かることですが、何とかしたいという気持ちが強いと、そのような無理なことを日常生活でしていることがよくあります。
その結果、当然のように失敗して、自信をなくしてしまうことになります。
このようなときには、まずできることから少しずつ取り組んでいくことが大切です。
よく使われるたとえですが、大きい岩を一人で移動させなくてはならないとき、そのままではとうてい動かすことはできませんが、それを小さく砕いて少しずつ運べば移動させることができます。
それと同じで、勉強でもスポーツでも、そして仕事でも、できそうな小さい目標を立てて、それに取り組んでいくようにします。
もしそれができれば、小さい自信が生まれて、もう少しやってみようという意欲がわいてきます。
仮にうまくいかなくても、小さい目標であれば、やり方を変えてもう一度トライすることができます。
このようにして少しずつ進んでいけば、少し時間はかかっても目標にたどり着くことができます。