不安な気持ちを感じながらも必要な行動を取れるようになるためには、できることからひとつずつ、成功体験を積み重ねていく必要があります。
今回は、成功体験を自分のものにしていくときに役に立つ考え方を二つ紹介することにします。
それは、最初の成功体験を大事にすることと過剰学習の原理を利用することです。
不安に感じながらも行動する最大の目的は、行動を通して、自分の心配がどの程度現実的なものかを確認することにあります。
どのような行動をすればうまくいくのか、うまくいかないとすれば何が問題なのかを、具体的かつ丁寧に確認をして、その情報を次に生かしていくようにします。
行動したからといって必ずしも成功する必要はありません。
だから失敗を恐れない方が良いのですが、現実に、最初の出だしで失敗してしまうと、次に進もうという気力が弱まってきます。
一方、最初に「できた」と感じられる体験ができれば、不安が少しだけ軽くなって、もう少し先に進んでみてもいいかなと考えられるようになります。
そのように考えられるようになるためにも、最初はできるだけ成功しそうな課題を選んで取り組むようにします。
さて、それで成功したからといって、あまり性急に次に進むとつまずく可能性が高くなります。
ですから、ある行動をして心配したようなことが起こらないことを確認できた場合には、何度か同じ行動をするようにします。
それも一回成功したから大丈夫だと考えるのではなく、同じことを何度も繰り返して、成功体験を身体に覚え込ませるようにするのです。
これが「過剰学習の原理」です。
あるゴルフの専門家言っていましたが、きちんとスイングができるようになるためには、同じスイングを繰り返し練習する必要があるそうです。
意識しないで同じスイングができるようになるまでには、一万回、そのスイングを繰り返す必要があるそうです。
私が以前実践していた空手でも、同じ基本動作を繰り返し、繰り返し練習して身体に覚え込ませます。
そうしてようやく、意識しないで行動できるようになります。
これはゴルフなど、スポーツに限ったことではありません。
毎日の生活でも、成功体験の積み重ねと過剰学習の活用は同じように大切です。
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■大野先生講演情報
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「こころと脳の健康フェス」
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