先週書いたように、変化は少しずつ、気づかれないまま起きています。
勉強やスポーツで変化が突然起きたように感じるのはそのためです。
私自身、最近、ゴルフで同じような体験をしました。
私がゴルフを始めたのは大学を定年退職した頃からです。
それまでは仕事が忙しくて、休みを取れない毎日が続いてゴルフどころではありませんでした。
それに、私は寝起きが悪いので、早起きをしてゴルフに出かける人の気持ちがわかりませんでした。
しかし、定年になって少し時間に余裕ができたこともあって、体力を維持するために何かからだを動かすことをしたいと考えて始めたのがゴルフです。
ゴルフを始めてみてわかったのが、必ずしも早起きしなくても、場合によっては午後からでもゴルフができるということです。
いつも書いていることですが、実際に足を踏み入れてみないとわからないことがたくさんあります。
認知行動療法の行動実験の大切さは、こんなところでも実感します。
もうひとつ、からだが思うようには動かないということにも気づきました。
年をとってきたのですから若いころのようにからだが動かないのは当然ですが、「このようにしないといけない」「このようにしてはいけない」と考えてからだを動かしていると、ひどくぎこちなくなります。
「変な方向に飛んでいったらイヤだなあ」と考えて球を打つと、変な方向に飛んでいきやすくなります。
まさに「自分で実現する予言」で、意識すればするほどからだがぎこちなく動いてしまうのです。
失敗しないようにしなくてはいけないというプレッシャーに負けないためには、どのような競技でも、プレイのためにからだを動かそうとするそのときに「力を抜いて!」といった簡単で大切な言葉を思い浮かべるのが良いようです。
細かく考えてからだを動かそうとすると、動きがぎこちなくなってしまいます。
そのときにはからだが覚えていることしかできないのですから、自分のからだを信じて思い切って動くしかありません。
そうすれば、自分の力を最大限に発揮できます。
この年になっても気づくことがたくさんあります。