自分を上手に褒めることができると、気持ちは軽くなります。
一般に、真面目で頑張りすぎる人は、精神的な疲れが出やすいので気をつけるようにと言われることがあります。
真面目で頑張る人は、できていない部分に目が向きやすいからです。
もちろん、できていない部分に目を向けて、良い方向に進んでいけるように工夫することは大切です。
しかし、できていないところばかりを気にしていると、自分が何もできない人間のように思えてきます。
そうすると、自信がなくなってきて、思い切って課題に取り組むことができなくなります。
その結果、やはり自分には力がないのだとこころの中で変に納得して、それ以上頑張ろうという気力が出なくなります。
こうしたことが起きるのは、結果だけで判断しているためです。
それも、うまくいったか、行かなかったかの白か黒かの判断思考になっています。
そうすると、少しでも良くない部分があると、「やっぱりできなかった」と決めつけてつらい気持ちが強くなります。
そのときには、うまくいかない可能性があるなかで自分なりに工夫して取り組んだという事実が見落とされています。
そのように取り組んだことで、何が良くなかったのかわかる可能性が出てきたことも見落とされています。
最終的に失敗したとしても、次につながる工夫ができた部分があるという事実も見落とされています。
こうしたことは、ある課題に取り組んだからこそ見えてくる部分です。
これからいろいろな課題に取り組むなかで生かせる部分でもあります。
そうだとすれば、そのような課題に取り組めた自分を誉めても良いと思うのですが、落ち込んでいる人の話を聞いていると、良くない結果ばかりに目が向いています。
そのようなときに、私は、もっと自分を褒めるように伝えます。
そうした取り組みができた自分を認め、そこで気づけたことを確認することができれば、気持ちが軽くなってくるからです。
そのようにして自分らしい生活ができるようになれば、良くないと思えていた出来事もまた、自分にとって良い出来事に変わっていきます。