こころトーク

2021.10.01

第314回 「統合失調症を対象にした認知行動療法とは?」

統合失調症の認知行動療法について、利用者の方からご質問をいただきました。

とても良い質問でしたし、どのような精神疾患を持っているか、さらには精神疾患を持っているかどうかに関わりなく、こころの健康のために大切な質問だと思いましたので、ここで説明させていただきます。

その質問は、認知行動療法は統合失調症も対象にしているのかというものと、大野が強調している自分との対話についてもう少し教えてほしいというものでした。

今回は、最初の質問「認知行動療法は統合失調症も対象にしているのか」に対して説明することにします。

統合失調症を対象にした認知行動療法は、とくに最近、注目されてきています。

私の恩師のアーロン・ベック先生も、仲間と一緒に、リカバリーに注目した認知行動療法を開発して、その効果を検証しています。

そして、その成果を書籍にまとめていて、来年にはその日本語版が出版される予定です。

さて、この中でベック先生たちが大切だと考えているのがアスピレーションとチャレンジです。

アスピレーションについては、1年くらい前の「こころトーク」でも紹介したように、夢とか希望に向かって進む情熱のような意味です。

そのように書くと何か大変なことのように感じる人がいるかも知れません。

とくに、多くの悩みを抱えて苦しんでいる人は、「こんなにつらいのに、夢や希望なんて持てないよ」と考えるかも知れません。

しかし、ベック先生たちが解説している本やビデオに目を通すと、そこまで大げさなことではなさそうです。

友人を作りたい、家族と団らんの時間を過ごしたい、仕事に就きたい、恋をしたい、好きな音楽を聴きたいなど、誰でもが思い描くような日常的な夢です。

その夢を少しでも実現するために、できることを少しずつ積み重ねていくことで、こころが元気になってきます。

もちろん、いくら小さなことでも、それを実現しようとすると、様々な問題に出合います。

その問題のことを英語で、チャレンジと表現します。

チャレンジというと「挑戦」とつい訳してしまいがちですが、これもそう大げさなものではなくて、先に進んでいくために解決していかないといけない課題、問題という意味です。

そのチャレンジをひとつひとつ解決していくことで、私たちは自分らしい生活が送れるようになってきます。

前の記事 次の記事