こころトーク

2022.02.11

第333回 「こころとからだに負担がかかる行動増えていませんか?」

コロナ禍で体重が増えている人は少なくないのではないでしょうか。

外出する機会が激減して毎日の運動量が減った上に、自宅にいるとお菓子などの食べ物につい手が出てしまいます。

お菓子などの甘いものはストレスを和らげるので、今のようにストレスを感じやすい状況では、甘いものを食べたくなるものです。

お酒の好きな人や、たばこを吸っている人も、ストレス状況下では量が増えてきて、こころにも体にも負担がかかります。

そのように好ましくない行動が増えてきたときには、その行動をとろうとしたときに、それに代わる別の行動、それも自分が関心を持てるような行動をとるようにします。

楽しいと思える行動であればなお良いでしょう。

このようなときに、好ましくない行動を減らそうとするのはあまり得策ではありません。

私たちには、何かをしないようにしようとすると、逆にそれをしたくなってしまう傾向があります。

たとえば、一分間目を閉じて好きなことを考えてくださいと言って、そのとき同時に、黄色い象のことだけは考えないでくださいという指示を出したときの反応を調べた実験があります。

その結果、読者の方はすでに想像されたと思いますが、被験者は黄色い象のことを考えるようになったのです。

ですから、甘いものを食べるのはよそう、お酒を飲まないようにしよう、たばこを吸わないようにしようと考えると、逆にそれが刺激になって、やめたいと考えていた行動をするようになってしまいます。

ですから、そのようなときには、まったく別のことをするようにするのです。

好きな動画を観たり、音楽を聴いたり、本を読んだり、何でも良いので好きなことをして、気をそらすようにします。

ストレッチしたり、散歩をしたりすると、体にも良い影響が出て、一石二鳥です。

ただ、散歩をしながら、あれこれ考えてしまっていたのでは逆効果です。

だからといって、考え事をしないようにと言うと、逆に考えてしまいます。

そのときには、歩きながら体の変化を感じるようにしたり、道ばたの草花に目をやったり、遠くの景色を楽しんだりするなど、何か別の関心が持てることをするようにします。

コロナ禍が長引いているなか、このようにして、こころや体を健康にする行動を増やしていくように意識してみてください。

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