今日から、新年度が始まりました。
新しい気持ちで、仕事や勉強に取り組んでいる人も多いと思います。
その一方で、慣れない環境に緊張している人も多いでしょう。
私が初めて医師になったときのことを思い出します。
そのころ、先輩医師からは、何でも質問するようにとよく言われていました。
とくに若いころは、先輩に質問するのをためらいやすいからです。
こんな簡単なこともわからないのかと思われるのではないかと心配になるのがその大きな理由です。
ですから、わからないことや困ったことがあっても、何とか一人で解決しようと頑張りすぎてしまいます。
そのために精神的に疲れてきます。
実際、そのような理由で精神科を受診する人は少なくありません。
とくに、頑張り屋のタイプの人ほど、無理をしてしまいがちです。
しかし、ほとんど経験がないだけにうまくいかないことが多く、さらに問題が大きくなってしまいます。
まわりの人に配慮するタイプの人も要注意です。
まわりの人に迷惑をかけてはいけないと考えて、つい一人で頑張ってしまうからです。
それでうまくいかなくなると、かえってまわりに迷惑をかけることになるのですが、そこまでは考えられないようです。
まわりのことを配慮しているようでいて、いつの間にか自分中心に考えるようになっているのです。
それに、今に目が向いてしまって、将来に目を向けて考えることができなくなっています。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言われますが、質問してわからないことがわかれば、それを将来に生かすことができます。
一方、尋ねられた人はまんざら悪い気持ちはしないでしょう。
頼られていると思うと、なんだか誇らしい気持ちになれるはずです。
そうすれば、聞いた人との人間関係も良くなってきます。
良いことずくめです。
コロナ禍のために家で仕事をしたり勉強したりすることが多くなっていますが、そうしたなかでも上手に聞いて将来に生かすことを考えてほしいと思います。