こころトーク

2022.08.12

第359回 「お盆に感じる人とのつながりの大切さ」

お盆の時期になりました。

今年も、新型コロナウイルス感染症の影響で帰省する人の数はコロナ前ほどではなさそうだと報道されていますが、それでも昨年よりはずいぶん増えそうです。

やはり私たち人間は、人間が好きなのです。

お盆の時期というのは、そうした人と人が集まれる貴重な時期でもあります。

お盆の時期に多くの人が移動するのを見て、混雑した時期に動き回らなくても良いではないかと、若干批判的に言う人がいたりします。

しかし、皆が同じ時期に休みを取って故郷に集まるから、それまで離ればなれだった人たちが会うことができるのです。

そうすれば、仕事に追われていた日常から解放されて、こころが休まります。

家族も同じです。

一緒に休みを取って旅行に出かけることで、気持ちがやすらぎますし、家族のつながりも確認できます。

お盆は、このように今を生きている人たちだけでなく、亡くなった祖先の人たちも故郷に帰って来るとされています。

そのように考えると、お盆は現世と来世という時空を超えて移動しつながるという壮大な催しということになってきます。

こうした仕組みを着想した先人の知恵には驚いてしまいます。

私たちは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを機会に、こうしたつながりの大切さをますます感じるようになっています。

パンデミックが始まったころは、感染を怖がって家のなかで身をすくめている人がたくさんいました。

そうするとそれまで楽しんでいたことができなくなります。

楽しいことややりがいのあることができなくなると、次第に気持ちは沈み込んできます。

私のように家族と一緒に住んでいる人間はまだ良いのですが、一人で生活しているとなかなか気持ちを切り替えることができません。

あれこれ考えて、ますますストレスを感じるようになってきます。

人と会ったり話したりすることは、私たちのこころにとって大切な栄養なのです。

感染しないように十分気をつけながら、旧知の人たちと人間的な触れあいを楽しんでいただきたいと思います。

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