先週は、問題解決のときに大切になる「数の法則」と「判断遅延の法則」について説明しました。
問題が起きたとき、すぐに良い解決策が思い浮かばないときには、良いか悪いかは後回しにして、できるだけ多くの解決策を考えるようにすることで、問題対処に役に立つ解決策を見つけやすくなります。
そうは言われても、なかなか解決策が思い浮かばないと思えるときもあるでしょう。
そうしたときには、まず、問題が具体的に絞り込めているかを確認してみましょう。
解決策が浮かばないときには、課題が曖昧だったり、抽象的だったりすることがよくあります。
たとえば、学校や仕事での成績を良くしたい、取り組んでいるスポーツで良い結果を出したい、といった課題は抽象的すぎます。
良い成績を取りたい、良い結果を出したいという気持ちはわかるのですが、これではなかなか解決策が浮かんできません。
学校の成績を良くしたいと考えたとしても、すべての科目の成績を上げるというのは現実的ではありません。
課題を前後に縦に並べて、一番前の問題からひとつずつ取り組んでいくようにします。
まず、どの科目の成績から良くしていくと良いかを考えて、その特定の科目に絞って取り組んでいくようにするのです。
場合によっては、科目を決めるだけでなく、その科目のどの部分に先に取り組むかを決めた方が良い場合も多いでしょう。
問題解決では、岩のたとえがよく使われます。
大きな岩を一人で動かすことはできませんが、その岩を砕いて手頃な大きさの石にすれば、一人で動かすことができます。
同じように、日々の課題でも、大きすぎるときには小さく砕いて取り組んでいくようにします。
そのときに、期限も区切ると良いでしょう。
いつの試験までに、ある科目の点数がこのくらいになるようにすると、目標を明確にして、それを実現するために必要な手立てを考えていくようにします。
そのようにして、少しでも前に進むことができれば、問題の解決に近づけるだけでなく、取り組めた、先に進めたという体験を通して前に目を向けてさらに進んでいけるようになります。