今日から、第22回の日本認知療法・認知行動療法学会の学術大会が開催されます。
私も、いろいろな企画に声をかけていただき忙しくしています。
今朝は、アーロン・ベック先生追悼企画と題して、ベック研究所のジュディス・ベック先生のビデオを流した後、井上和臣先生や久我弘典先生との対談でベック先生の思い出を話す予定です(未来形で書きましたが、この原稿は数日前に書いていることをご理解ください)。
明日は、いくつかのシンポジウムでの指定討論に加えて、市民公開講座で、お笑いコンビの松本ハウスさんの講演『統合失調症がやってきた』に続いて、『リカバリーから考える「統合失調症がやってきた」』と題して対談を行うことになっています(市民公開講座の現地参加は当日でも受けつけているようで、参加費はかかりません。写真撮影も可能だそうです)。
松本ハウスのハウス加賀谷さんは、『統合失調症がやってきた』という本のなかで、ご自分の統合失調症の体験をカミングアウトされています。
その体験は、中学生のときに、教室でまわりの生徒たちから「臭い」と言われる幻聴が聞こえたときに始まります。
ハウス加賀谷さんの言葉を借りれば高校時代、「自分が幻聴のサンドバックの状態」になりながら、通院していたクリニックの医師に進められて、グループホームで生活するようになります。
そのなかで、ビートたけしさんの「オールナイトニッポン」の影響もあって、漫才をしたいという思いが強くなり、ハンバーガー店でアルバイトをして費用を捻出して大阪に行って、松本キックさんとコンビを組んで芸人になります。
その後、漫才コンビの松本ハウスは人気が出るのですが、忙しさからくる疲れと、不定期な服薬状況のために病状が悪化して、長期に休養しなくてはならなくなります。
しかし、入院病棟で隔離生活までしなくてはならなくなったハウス加賀谷さんですが、その後芸人として復活して、今も松本ハウスとして活躍されています。
復帰までの詳細は『統合失調症がやってきた』に書かれていますが、こうしたことが可能になった背景には、ハウス加賀谷さんの「芸人復帰」への思いがあったからだということがわかります。
その思いを、ハウス加賀谷さんは本の中で、「希望ではなく、実現すべき目標」だったと語っています。
まさにこれが、先週紹介したアスピレーションです。
明日の対談では、そうした思いがもつ力について教えていただけるのを楽しみにしています。
—————————————————
第22回 日本認知療法・認知行動療法学会
—————————————————
■市民公開講座:
松本ハウス講演『統合失調症がやってきた』
松本ハウス×大野裕先生 対談 リカバリーから考える『統合失調症がやってきた』
日時:2022年11月12日(土)12:50~14:05
場所:コングレスクエア日本橋2F
参加費:無料
※現地会場の参加は、当日申込み受付可能です
詳細はコチラ▶https://jact2022.org/lecture.html
■各種ワークショップ:
大野先生のワークショップを含む8つのワークショップが開催されます。
現地受付による当日受講も可能です。
日時:2022年11月13日(日)9:00~16:00
場所:コングレスクエア日本橋
参加費:有料(価格はワークショップごと異なります)
詳細はコチラ▶https://jact2022.org/workshop_f2f.html