いよいよ今年も終わろうとしています。
今年を振り返って、とくに仕事の面ではいくつかうれしいことがありました。
まず、これまで22年間続けてきた日本認知療法・認知行動療法学会の理事長を退任して、後輩たちに後を譲ることができました。
最初は少人数で始めた学会ですが、多くの人たちに協力してもらったおかげで、会員数が2000人近くにまでなる大きい学会に成長することができました。
私が理事長を務めているもうひとつの学会のポジティブサイコロジー医学会も着実に会員数が増えています。
2001年からほぼ毎週書き続けてきた日本経済新聞のコラム「こころの健康学」が、1000回を超えました。
続けることの大切さを感じています。
「こころトーク」も同じですが、毎週テーマを考えて書いていくのは、なかなか大変です。
でも、「こころの健康学」や「こころトーク」の話題になることがないかどうか考えながらまわりにいる人たちの言動に目を向けていると、多くのヒントがあることに気づきました。
それぞれの人たちが、それぞれに工夫して生活していることに気づいて、それを話題にして取り上げることができました。
それは、今年後半から始まった、読売新聞の「人生案内」でも感じていることです。
「人生案内」の質問文を読んでいると、それぞれの人が悩みながらも工夫している様子が伝わってきます。
それを文章に書き起こすだけで、とても良い回答をすることができます。
私が患者さんと話すときと同じで、悩んでいる人の中に良い解決策が隠れていることが多いのです。
最後に、YouTubeチャンネル「こころコンディショナー」の発信を強化したのも、私にとっては大きい挑戦です。
親しい友人から、白髪のおっさんがぼそぼそとしゃべっていると冗談交じりに言われたりもしますが、それがかえって良いのかもしれません。
予想以上に多くの人たちからの反響があります。
すでに古希を過ぎた私ですが、それでも新しい変化があることに感謝し、皆さんと一緒に来年もさらに進んでいきたいと考えています。