大型連休が続いていますが、どのように過ごしていらっしゃるでしょうか。
仕事や学校から離れてゆっくりしている方は少なくないと思います。
ゆっくりすることで心身の疲れが取れると良いのですが、時間ができたおかげで、かえっていろいろと考えごとをしてしまって、疲れがたまっている人がいるかもしれません。
暇になると、忙しくしていると考えないですんだことが浮かんできやすくなります。
いわゆるグルグル思考です。
誤解されやすいのですが、このグルグル思考は、認知行動療法でよく言われる自動思考とは違います。
2月の「こころトーク」で紹介した反すうがグルグル思考で、ストレスが溜まっているときには、嫌な考えが次々浮かんできます。
一方、自動思考は、ある出来事を体験したときにとっさに浮かんでくる考えで、瞬間的なものです。
自動思考は瞬間的な判断ですので、ネガティブなものもあればポジティブなものもあります。
落ち込んでいるときには、ネガティブに考えすぎていることが多いので、認知行動療法では、もう一度現実に目を向け直して情報を集め、より適切な判断や工夫ができるように手助けしていきます。
一方で、グルグル思考の場合にはまず、問題解決の役に立たない考えに支配されそうになっていることに気づくことが必要です。
そして早めにその考えをストップさせるようにできると良いのですが、それには身体を動かすことが役に立ちます。
同時に、先に進められるように考えを変えていくことも大事です。
一般に、グルグル思考の場合には「なぜなぜ思考」になっています。
なぜこんな問題が出てきているのか理由を探ろうとする考えです。
しかし、理由がわからないことが多く、それを考えているとますます落ち込んできます。
そのようなときには、何が問題かを具体的に考えて、問題を小分けにしてひとつひとつ対処法を考えていくようにします。
そうしているうちに、次第にグルグル思考から解放されて、先に向けて進んでいけるようになります。