最近、Chat GPTのような生成AIが話題になっています。
そうすると、「こころのスキルアップ・トレーニング(ここトレ)」のようなサイトは、生成AIに取って代わられるようになるのではないかという人がいます。
AIが人間のカウンセラーの代わりになるのではないかと聞かれることもあります。
私はデジタル移民と呼ばれるような、デジタル技術にあまりくわしくない旧世代の人間ですので技術的なことは断言できませんが、AIが人間はもちろん、「ここトレ」に代わるようになることは当面ないのではないかと考えています。
私がそのように考えている理由について書く前に、「ここトレ」の歴史を振り返ってみることにします。
私たちが認知行動療法活用サイト「ここトレ」を作ることを考えたのは10数年前、まだガラケー全盛の時代です。
現在「きずな出版」の社長になっている岡村季子さんから、「寂しい」というキーワードで検索する人が多いらしいという話を聞きました。
しかも、「寂しい」と入力すると、いかがわしいサイトに誘導されることが多いというのです。
それなら、寂しい気持ちになっている人がこころを整えるのに役に立つ認知行動療法を学習するサイトを作ると良いのではないかという話になって、「ここトレ」の前身となる「うつ・不安ネット」というプログラムの開発を始めました。
そのプログラムを解説した『うつ・不安に効く~7つのステップ』(大和書房)という書籍も作りました。
その後、ウェブ版を作ったのをきっかけに、認知行動療法について勉強するだけでなく、私からのメッセージが届くと良いのではないかという岡村さんの提案で、メルマガ「こころトーク」を毎週配信することになり、講演の動画や書籍のPDFなど、多くの情報を掲載していきました。
さらに、認知行動療法の流れを学習するための「認知行動スキルを自己学習したい方のために」のコーナーも作りました。
「ここトレ」は治療目的で提供しているものではありませんが、医療場面でも利用してもらえるようにもなってきています。
たとえば、聖マリアンナ医科大学教授の中川敦夫先生は、うつ病をもつ人に「ここトレ」を利用しながら行った認知行動療法の効果について論文を発表し、全国レベルでの研究を続けています。
そのために作った専門家向けのプログラムがサイトの中の「ここトレをカウンセリングで利用する専門家の方のために【うつ病編】」です。
■認知行動療法活用サイト「こころのスキルアップ・トレーニング(ここトレ)」
https://cbtjp.net/
※「認知行動スキルを自己学習したい方のために」と「ここトレをカウンセリングで利用する専門家の方のために【うつ病編】」は、「こころのスキルアップ・トレーニング(ここトレ)」の会員用ページに設置されています。