こころトーク

2024.01.12

第433回 「あきらめないことで開ける世界があります」

今年は、能登半島地震や日航機と海保機の衝突事故が起こるなど、こころが痛むことの多い年明けになりました。

被害を受けた方々にはこころからお見舞いの言葉をお送りしたいと思います。

このような厳しい出来事に直面すると、誰でもこころが傷つきます。

認知行動療法でネガティブ・ビリーフと呼ばれる、ネガティブな思い込みが強くなるからです。

ネガティブ・ビリーフは、おもに3つに分けられます。

自分は愛されないのだというunlovable belief、自分は無力だというhelplessness belief、そして自分には価値がないというworthlessness beliefです。

能登半島地震のような自然災害に直面したときには、とくに無力感のビリーフが強まります。

圧倒的な自然の力を前にすると、人間にはとうてい立ち向かうことができないような気持ちになってしまいます。

現実的にはたしかにそうなのですが、私たちの祖先は、そうした状況を克服するためにいろいろな工夫をしてきました。

私たちが現在、毎日を安心して過ごせるのはそのおかげです。

もちろん油断は禁物で、東日本大震災や熊本地震、能登半島地震、それ以外にも各地で起きている豪雨災害など、人間の手に負えないような自然災害は起こります。

しかし、それでもあきらめなかった私たちの祖先のように、あきらめないで工夫を続ければ、また新しい世界が開けてきます。

私たちには、その力があるのです。

そのとき、一人では、本来持っている自分たちの力を発揮することができません。

一人でいると、「自分は誰にも愛されていないんだ。自分にそれだけの価値がないからだ」というunlovable beliefやworthlessness beliefが強くなって、こころのエネルギーを奪っていってしまいます。

そうしたこころの状態を変えていくためには、人と人とのつながりを実感する必要があります。

家族や親族はもちろん、地域での人と人とのつながり、さらには他の地域の人たちとのつながりがこころのエネルギーになってきます。

被災地でのこころのケアのためには、こうした人と人とのつながりが何よりも大切です。

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