こころトーク

2015.09.11

イヤなことが忘れられないとき

先日、「こころのスキルアップ・トレーニング(ここトレ)」の会員の方から質問をいただきました。
以前に私が、イヤなことは忘れるのが良いと書いたことに対する質問です。

 

その人は、いくら時間が経っても忘れることができないつらさを抱えていらっしゃるようです。
とてもつらい体験をされたのだと思います。
だから、忘れようとしても忘れることができないのでしょう。
 

ふとしたときに、つらかった体験がこころの中に浮かんでくるとすれば、それ自体が苦痛です。
それはたしかにつらいと思いますが、これもまた、先週紹介した「反すう」です(反すう:解決につながらない考えをあれこれめぐらせている状態)。

 

いくら考えても解決の方に向かっていません。
いろいろ考えても、新しい気づきは生まれてきません。
こころの痛みもまったく変わりません。
 

先週紹介した「反すう」の3要件を満たしています。
それは、

(1)問題解決の方向に考えが進んでいるかどうか
(2)それまでわからなかったことに新しく気づけたか
(3)自分を責めることが少なくなって気持ちが軽くなったか

の3つです。

 

「反すう」に対処する第一歩は、「反すう」の3要件をチェックして、いま考えていることが反すうだと気づくことです。
「反すう」だと判断すれば、まず「これは反すうだ」と自分の心の中でつぶやいてください。
このようにラベル付をすることができれば、次のステップに移りやすくなります。

 

次のステップは、「反すう」に代わる行動をはじめることです。
 

このときには、これまで自分の気持ちがいくらかでも軽くなったような行動を選ぶようにします。
そして、その行動の結果、気持ちがどのようになったかを、ありのままに自分の言葉で書き出してみてください。

 

最初はなかなかうまくいかないかもしれません。
問題から逃げているように思えて、自分のことを情けなく思えるかもしれません。

 

しかし、決してそうではないのです。
「反すう」と気づいたときに、別の行動をして「反すう」を止めることでこころが軽くなることは、これまで、多くの研究で実証されてきました。
 

最初は苦痛に感じるかもしれませんが、それを続けていれば、少しずつそれが自然にでなってきます。
諦めないで、辛抱強く続けるうちに、いつの間にか変わってきているものです。

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