こころトーク

2015.09.18

時と場合による「ネガティブバイアス」

一緒に食事をとっていた人の話では、庭に熊が出るというのです。
私は驚きましたが、都市部でも熊が出ることは珍しくないようです。

 

さて、熊の話が出たのは、ネガティブバイアスと呼ばれるこころの動きが話題になったからです。
ネガティブバイアスというのは、物事をネガティブに、つまり良くない方から見てしまう考え方のことです。
ネガティブに考えるのは良くないと言われることがよくあります。
良くない面ばかり見ていると気持ちが沈み込んでくるからです。

 

しかし、どうも私たちの心は悪い面をまず見てしまう傾向があるようです。
それがネガティブバイアスですが、これは自分を守るために必要なことでもあるのです。

 

ずっと昔、原始時代のことを想像してみましょう。
草原にいるときに何か物音がしたとき、私たちの祖先は危険な動物がいるのではないかと考えて身構えたことでしょう。
もちろん、風が吹いて物音がした可能性があるかもしれません。

 

しかし、その可能性を考えて油断していると、動物に襲われてしまう危険性があります。
危険な動物がいるのではないかと考えて、身を守ることを考えなくてはなりません。

 

冒頭に紹介した人の話でも同じです。
庭に熊が来る可能性は低いかもしれませんが、ゼロではありません。
そうだとすると、庭で物音がしたときには熊が来た可能性を考えて身構える必要があります。

 

まず悪いことを想定して身を守る手立てを考えるというのは、自分を守ろうとする自然なこころの動きです。
それがネガティブバイアスで、それ自体は悪いことではありません。

 

しかし、一方的に良くないことが起きる可能性ばかり考えていると、不安な気持ちが強くなります。
気分も沈み込んできます。
そうしたときにこそ、一息入れて、どのようなことが起きているのかを丁寧に見直してみることが役に立ちます。