こころトーク

2015.09.25

「ミス」をしたそのあとに

出勤途中に新宿駅で地下鉄に乗り換えたときのことです。
雨が降っていたので雨に濡れないですむように、いつもとは違う路線を使って仕事場に向かうことにしたのですが、2日続けて乗り間違えたのです。

 

最初の日は、なぜか違う方向の電車に乗ってしまいました。
次の日は、乗り換えを予定していた駅を通り過ぎてから、快速電車に乗っていることに気づきました。

 

そして、ちょうどそのときに認知症の心理について考えていたときでしたので、「まるで見当識の障害が起こっているみたいだ」という考えが頭に浮かびました。

 

見当識というのは、現在の日時や自分の居場所など基本的な状況把握をする能力のことで、その力が落ちてくると、私が電車を乗り間違えたように、「見当違い」の行動をしたりするようになります。

 

でも、落ち着いて考えてみると、私の場合は「見当識の障害」などと難しいことを言わなくても、うっかりミスが続いただけです。

 

このように私たちは、認知症で認知機能が落ちているときだけではなく、初めての場所だったり、慌てていたりしているときには、こうしたうっかりミス、判断ミスを起こすことがよくあります。
他のところに気をとられて、いま何が起きているか、現実にしっかり目を向けられていないからです。

 

もっとも、私たちは、そんなにしっかりと現実に目を向けながら生活しているわけではありません。
初めての場所で緊張しているわけでなくても、慌てているわけではなくても、見当違いの行動をしていることが少なからずあります。

 

私たちは、ほとんど意識しないで考えたり、行動したりしていることが多いからです。
そのために見当違いのミスをすることもあるのです。

 

そこで大事なのは、ミスをした後にどのように対応するかです。
ミスをしたときには、きちんと現実に目を向けてミスを取り返すことができるかどうかが大切になります。
もちろん、私も電車を乗り換えて、無事に仕事場に着くことができました。

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