こころトーク

2015.10.02

第1回 「笑顔の持つ力」

先日、ある年の市民講演会に呼んでいただいたときに、NPO法人コンボ(地域精神保健福祉機構)が出している雑誌『こころの元気+』が話題になりました。

精神的な悩みを抱えた人が中心に執筆しているので、読んでいて教えられることがたくさんあります。

それにくわえて、精神疾患を持った人が写っている表紙も魅力的です。

笑顔の写真です。

その笑顔を見るだけで、ホッとこころが和みます。

笑顔は相手の人の笑顔を引き出します。

脳科学の本を読むと、私たちは、相手の表情を見ながら、無意識に自分の表情筋を動かしていると書かれています。

そうしながら、相手の気持ちを感じ取っているのだそうです。

笑顔がまわりに伝染するのは、そのためです。

逆に、厳しい表情をすると、相手の人の表情も厳しくなります。

悩んでいるときには、思いつめた厳しい表情になりやすいので注意しましょう。

でも、そう言われても笑顔が出てこないことだってあるでしょう。

つらいときに笑顔になれと言われても無理だと考える人もいるでしょう。

そういうときに、ちょっと口角を上げる練習をしてみてください。

割り箸や鉛筆を横にして口にくわえると、自然に口角が上がります。

それ以上に効果があるのが、自分の関心のあることに目を向けることです。

今回最初に紹介した『こころの元気+』の編集担当者と話したとき、そのヒントに気づきました。

『こころの元気+』の表紙のカメラマンは、表紙のモデルになっている人が興味を持っていることを話題にしながら撮影を進めていっているというのです。

精神疾患に限らず、不調を抱えている人と話をしていると、つい不調の方に話が流れがちになります。

体調はどうか、どんな気持ちの状態か、不調についての質問ばかりになってしまいます。

そればかりだと気持ちが滅入ってきます。

そうしたときに、興味を持っていることを聴かれてそちらに関心が移ると、フッとこころが軽くなって、笑顔が出てきます。

関心のあることに目を向けることであれば、一人でもできます。ぜひ試してみてください。