こころトーク

2015.10.23

第4回 「解決できない問題に直面したとき」

「どう考えても解決できない問題に直面したときには、どのように考えを切り替えれば良いか」というご質問を会員の方からいただきました。

とても重要な質問なので、メルマガで説明させていただくことにしました。

なぜ重要かというと、こうした問題に出会ったときに相談した人から、「解決できない問題なのだから、それを受け入れられるように考えを変えるしかいない」と諭されることが少なくないからです。

それどころか、そのように考えを切り替えるために認知行動療法を使ってはどうかと勧める人がいたりします。

これは誤解です。

認知行動療法は、困った現実を受け入れるために考えを切り替える手法ではありません。

いくら考えを切り替えても、困ることは困りますし、つらい体験をすればつらくなります。

認知行動療法は、そうした現実をそのまま受け入れるのではなく、その問題に上手に対処して、いくらかでもつらさが和らぐような手立てを考えていく方法です。

「どうしても解決できない」という発言には二つの要素が含まれています。

それは「判断の適切さ」と「そこから生まれる問題」です。

まず、判断の適切さについて考えてみましょう。

「どうしても解決できない」と当然の事実のように語られていますが、その判断はどの程度現実的なものなのでしょうか。

まったく解決の手がかりが見つからないのでしょうか。

少しでも解決の手がかりが見つかれば、先に進める可能性があります。

それでも、解決できない部分が残るかもしれません。

まったく解決できない可能性だってあるでしょう。

そのときには、慌てないで、解決できないことでどのような問題が出てくるのかを考えてみると良いでしょう。

それが、第二の「そこから生まれる問題」です。

その問題を解決できなければ、どうなってしまうのでしょうか。

こうしたときには、最悪と最善のシナリオを考える「シナリオ法」が役に立ちます。

最悪の事態を考えたとき、どのようなことが起こると考えられるのでしょうか。

もしうまくいけばどのような可能性があるのでしょうか。

このように考えていけば、ほどほどの現実的なシナリオが見えてきますし、それを実現するための手立ても見えてきます。

これもまた、認知行動療法の大切な手法ですので、試してみてください。

 

 

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