こころトーク

2016.01.08

第15回 「将棋とこころの持ち方」

正月に年賀状に目を通していると、送ってきていただいた人の特徴がそれぞれ出ていて、つい時間を忘れてしまいます。

メールで年賀の挨拶をいただく人も、やはり温かいメッセージがこもっていて、それもまた嬉しいことです。

それぞれの人のことを思い出しながら、昨年のことを思い出し、今年に向けての思いを再確認しているうちに日が過ぎました。

昨年もいろいろな人に出会って、多くのことを教わりました。

なかでも印象的だったひとつが、私が親しくしている人が主催している財団の講演会で聴いた将棋の青野照市九段の講話です。

いくつもこころに残った言葉があったのですが、そのひとつに、自分が行きづまっているときには相手も行きづまっているとおっしゃっていたのがこころに残っています。

将棋がそこそこ上手でも今ひとつ上に上れない人について話されていたときのことです。

そうした人は、将棋の手が行きづまったときに、何とか自分でその場を変えようとひとりで頑張りすぎます。

そうしているうちに、自分の手が見えなくなり、結局は自滅してしまうそうなのです。

逆に、どうせこれ以上頑張っても良い手が見つからないと考えて、好きなようにしてみろと、相手に任せるくらいの方が良いということでした。

そうしたときにジタバタしてもどうしようもありません。

それに、そのようなときは、相手も行きづまっているので、任せられてもどうすることもできません。

そのために、結局は相手が逆にあたふたして、自滅することになります。

この話は、私たちが問題に出会ったときのこころの持ち方を考える上でとても良いヒントになります。

私たちは、大きな問題に直面すると、そればかりに目が向いて、まわりに何が起きているか、見えなくなってしまいます。

そのために、自分が何とかしなくてはならないと考えて、独り相撲をとってしまうことになりがちです。

自分ではどうすることもできないことまで、自分一人で対処しようとするとムダにエネルギーを使うことになります。

そうしたときには少し冷静になって状況を振り返り、自分にはできないことはできないと、きちんと受け止めなくてはなりません。

そうすれば、自分の力を最大限に発揮できるようになってくるはずです。