こころトーク

2016.05.13

第33回 「「マインドフル」になれていますか?」

来月に発刊予定の『自分でできるマインドフルネス認知療法実践ガイド』(創元社)の監訳を頼まれて、あらためてマインドフルネスについて考えました。

マインドフルネスは認知行動療法の重要なアプローチのひとつで、その具体的な方法は、「こころのスキルアップ・トレーニング」PC版サイトにもアップされています。

これは、こころ(マインド)をゆたかにして、そのときそのときの自分の状態をあるがままに受け入れられるようにする方法です。

私たちはストレスを感じているとき、目の前の問題にこころを奪われてしまって現実にきちんと向き合えないでいます。

そうしたときに、自分を取り戻して自由なこころで現実に目を向けることができれば、問題に上手に対処できるようになります。

現実をありのままに受け入れるこころの状態を作り出すというのは、まさに認知行動療法で言う「認知の修正」そのものです。

そうは言っても、カタカナでマインドフルネスと書かれると今ひとつその内容がピンときていませんでした。

そのようなとき、しばらく前になりますが、東海道新幹線に乗っているときに「マインドフル」という言葉が耳に飛び込んできました。

あまりに突然のことで驚いたのですが、英語のアナウンスで、「椅子の背もたれを倒すときに後ろの座席に座っている人に『マインドフル』になりましょう」と言っていたのです。

私たちはどうしても目の前のことに、こころを奪われがちです。

そのときに、自分の目に入らない後ろにまで十分な注意を払いましょうというアナウンスで「マインドフル」という表現が使われていたのです。

その放送を聞いて、私は、「マインドフル」というのはそのように自分のまわりにいま起きていることに十分意識を向けることができている状態なのだと理解しました。

この新幹線のアナウンスからは、この言葉に「気配り」や「思いやり」「気遣い」といったニュアンスが含まれていることもわかります。

つまり、目の前の問題にこころを奪われているときに、周囲に気配りをする余裕があるこころの状態を「マインドフル」というのです。

それだけではありません。

周囲に気配りができるということは、自分にも気配りができるということでもあります。

ストレスを感じているときには、いつのまにか自分を責めるようなこころのモードになっています。

そうしたときに、むやみに自分を責めるのではなく、自分に思いやりを持つことができれば、問題に対処するだけの力を引き出すことができるようになります。

その重要な手立てのひとつが「ここトレ」PC版でも紹介しているマインドフルネスのエクササイズです。

・動画で学ぶマインドフルネスはコチラ
http://www.cbtjp.net/mindfulness/