先週は、姿勢や表情で気持ちが変わるという話をしました。
気持ちが沈み込んでいるときには、意識しないうちにうなだれたような姿勢になっています。
そうするとますます気持ちが沈み込んできます。
緊張して表情が硬くなると、緊張が高まります。
こころと体は、このような形でも影響し合っているのです。
ですから、落ち込んでいるときには意識して背筋を伸ばすようにするとよいでしょう。
緊張しているときには、意識して表情を和らげるようにするとよいでしょう。
緊張を和らげるためには、ゆっくりと腹式呼吸をするのも役に立ちます。
私たちは緊張すると胸がふくらむ呼吸(胸式呼吸)をするようになり、呼吸が浅く、早くなってきます。
そうすると、「こんなに緊張している」と体や心が感じて、さらに緊張が高まることになります。
こうしたときには、逆に、ゆっくりと腹式呼吸を繰り返してみてください。
そうすると、体の緊張がほぐれてきます。
そうしているうちに“自分感覚”が戻ってきて、気持ちが和らいできます。
腹式呼吸をするためには、お腹を軽く押さえるように片方の手のひらを当てて、手のひらがが動くように意識しながら、ゆっくりと息をします。
ゆっくり息を吐いて、ゆっくり息を吸うようにしてみましょう。
息をしながら数を数えると呼吸を整えやすくなります。
いろいろな方法があるのですが、ボックス法と呼ばれる呼吸法は、“1,2,3”とゆっくり数を数えながら息を吐きます。
“1,2,3”と数えるあいだ息を止めて、次に“1,2,3”と数えながら気を吸い込みます。
そして“1,2,3”と数える間息を止めて、“1,2,3”と数えながら息を吐きます。
はじめはぎこちないかもしれませんが、練習すれば、だんだんできるようになります。
初めのうちは静かなくつろげる場所で、仰向けに横になって練習してみるのもいいでしょう。
また、とっさに腹式呼吸をするのが難しいときには、まず大きくため息をついておなかから息を吐き出してみると、比較的スムーズに腹式呼吸に入っていけるので、試してみてください。