年が改まりました。
年末から正月にかけてはどのように過ごされたでしょうか。
久しぶりにゆっくりした方もいらっしゃれば、いつも以上に忙しく働いた方もいらっしゃるでしょう。
正月の過ごし方は人それぞれだと思いますが、年が改まるという発想は良いものだと私は考えています。
今までの自分を振り返り、もう一度リセットして再出発する機会になるからです。
ただ、リセットすると言うのは簡単ですが、実際に実行するとなると簡単にはいきません。
リセットするとなると、自分がそれまで積み重ねてきた努力や工夫を捨てることになりかねないからです。
そうならないためには、今までの自分を大事にしながら、しかし変えた方が良いところは変えてくという柔軟なこころの姿勢が大事になります。
そのことを意識するために、認知行動療法では、小目標と大目標という考え方をします。
小目標というのは、できるだけ早く解決した方が良い目の前の問題です。
小目標を達成するためには、変えられる部分を変えていくようにします。
一方、大目標というのは、これからの人生を自分がどのように進んでいきたいと考えているかという将来の展望です。
これは自分がずっと心の中で持ち続けている大事な目標で、モチベーションを維持するエネルギーにもなります。
先週、絵本の読み聞かせをしているときにどもって落ち込んだという高校教師の体験を紹介しました。
この人の場合、吃音を持ちながら授業を進めていくにはどのように工夫すれば良いかというのが小目標になります。
大目標は、生徒たちに言葉の大切さや美しさを伝えるということになります。
このように大目標と小目標の両方を意識しておくことができれば、小目標は大目標を達成するための手段と考えることができるようになります。
手段ですから、必ずしも成功する必要はありません。
失敗の中から新しいヒントが見つかることも多く、失敗することにも意味があると考えられるようになります。
さて、新年です。
もう一度ご自分の大目標について考えてみてはどうでしょうか。