こころトーク

2017.01.27

第70回 「目の前の問題と本来の目標」

前回は、女子柔道の舟久保遙香選手が膝を故障したときのエピソードを紹介して、「好きだ」という思い入れが大事だと書きました。

私たちは何か問題に出会うと、その問題に気を取られてしまって、本来の目標を見失ってしまうことがあります。

そうしたときに自分が本当にしたかったことを確認できると、目の前の問題に振り回されないできちんと問題に向き合うことができるようになります。

だからといって、目の前の問題をないがしろにすべきだというのではありません。

目の前の問題は問題として、きちんと取り組む必要があります。

そのときに、本来の目標が見えていると、問題にどのように取り組めば良いかが見えてきます。

舟久保選手のエピソードを想像しながら、そのことについて考えてみましょう。

膝を故障して稽古ができなくなったのは事実です。

稽古をすることができなければ上達することができないと舟久保選手が考えたとしても、無理はないでしょう。

こうしたときに、稽古ができないから上達することができないと悲観的に考えるのは良くないと言ったところで、何の役にも立ちません。

稽古ができなければ技を磨くことができませんから、その意味では上達できなくなると考えるのは自然なことです。

ただ、ここでちょっと注意していただきたいのですが、膝の怪我をしたためにできなくなったのは通常の稽古です。

個別の技を磨く稽古です。

個別の技を磨く通常の稽古は、柔道選手としての力を伸ばすために必要なものですが、すべてではありません。

長い目で見た目標、つまり柔道選手としての力を伸ばすために必要な稽古は、通常の稽古以外にもあるはずです。

そのことに気づけば、他の稽古の方法について考えることができます。

腕の力を強くするためには懸垂をすることに意味があるし、それが柔道の力を高めることにつながると気づけます。

このように先を見通す力を持てるようになると、全体を俯瞰して必要な行動を取ることができるようになります。

 

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