認知行動療法では、いま目の前に起きている問題に目を向けて、それをどのように対応していくと良いかを考えていきます。
私たちは悩んでいるとき、過去の出来事を振り返ってあれこれ思い悩んだり、将来起きそうなことを想像してあれこれ心配したりしていることが多いからです。
しかし大事なのは、いま目の前にある問題に全力で取り組むことです。
少し哲学的になるかもしれませんが、時間は常に流れています。
その流れの中で自分の力を最大限発揮できるのは、目の前の問題や課題に力を集中できたときです。
目の前に問題があるときに、「あのときああすれば良かった」と過去を悔やむことがあります。
向上心から来るこころの動きでしょう。
しかし、過ぎ去った過去のことですから、悔やんでも何の助けにもなりません。
助けにならないどころか、こころのエネルギーが後悔するために使われてしまって、使えるエネルギーが減っていくだけです。
ですから、問題や課題に直面したときには、それまで自分が積み重ねてきたことを信じて、それを生かしながら目の前の問題や課題に集中するのが一番です。
全力で取り組んだ結果がどうなるかは、やってみなければわかりません。
ただ、結果がどうなったとしても、それで終わりではありません。
冒頭で書いたように時間は流れていきます。
その時間の流れの中で、結果は変わっていきます。
どのような結果であっても、その意味合いは時間が経つにつれて変わっていきます。
また、ある結果が出たとしても、その結果に対して新しい対応を考えることもできます。
うまくいっていれば、それがさらにうまくいくように工夫ができます。
うまくいかないことがあれば、新しく生まれた問題に取り組んで解決に向けて進んでいくことができます。
そうすれば、当然、結果は変わってきます。
つまり、ある結果が出たからといって、それで終わりではないのです。
結果は結論ではありません。
自分が納得できる結論が出るまであきらめないで目の前の問題に取り組み続ける辛抱強さが、自分の力を生かすカギになります。