こころトーク

2017.08.04

第97回 「危機的場面の切り抜け方」

先週は、貝にとって不愉快な砂粒からきれいな真珠が作られるというたとえを紹介して、挫折体験を活かすことの大切さについて説明しました。

しかし、そう言われても、挫折体験のつらさから抜け出すのは簡単なことではないと考えた人もいたのではないでしょうか。

たしかにその通りで、私もいろいろな場面で絶望的になることがあります。

しかし、そうしたときには、自分が本来何をしたかったのかを考えると危機的に思えた場面をうまく切り抜けることができます。

私たちは一般的に、危機的に思える状況に直面すると、つい現実から目をも向けたくなります。

しかし、それでは解決の扉を自分から閉ざすようなもので、問題を解決することができなくなります。

こころのどこかで、現実から逃げた自分の姿にガッカリして、自信をますますなくしてしまうことになります。

そうしたときこそきちんと現実に向き合う必要があるのですが、そのときに、現実に起きた出来事と自分が期待していた出来事を意識することが役に立ちます。

専門的には、現実に起きた出来事をAO (actual outcome)、自分が期待していた出来事をDO (desired outcome) と呼び、そのギャップを埋める工夫をすることでこころが軽くなることがわかっています。

それを本サイト上でできるようにしたのが、「認知行動療法の7つのスキルを練習する」のなかの「4.状況分析:期待と現実のギャップを埋める7つのステップ」です。

ここでは、現実に起きてガッカリした出来事つまりAOをまず書き出した後に、自分が期待したDOを書き出すようになっています。

そのうえで、AOとDOのギャップに目を向けて、そのギャップを埋めるための手立てを考えます。

ある程度具体的な手立てが浮かべば、次はそれを実行する段階です。

そのときに、何が何でもDOを実現しようと無理しないようにしてください。

頭で考えたことが必ずしもうまくいくとは限りません。

最初はあくまでも実験的に行動してみることです。

そうして、いくらかでもDOに近づくことができれば良いでしょうし、あまり変化がなければ、どこに問題があるのかを考えてみて、次に生かすようにしてみてください。
 

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