こころトーク

2017.10.13

第107回 「アーロン・T・ベック先生との再会」

アメリカから帰る途中の飛行機のなかで、このメルマガを書いています。

今回は、先週の金曜日の夜に日本を発って、今週の火曜日に帰国するというあわただしい旅でした。

でも、気分はとても高揚しています。

それというのも、先週紹介したベック先生に会うことができたからです。

ベック先生にゆかりの深い人間が集まる会議に来ないかと連絡が入ったのは、しばらく前のことです。

確認したところ、先週末は予定が何も入っていません。

秋は学会や研修会で忙しくて週末はすべて埋まっているのですが、先週末だけなぜかぽっかり空いていたのです。

あまりの偶然に嬉しくなって、すぐに、参加するという返事をしました。

さて、会議は土曜と日曜、2日間続いたのですが、驚いたことに、ベック先生はほとんどすべての時間出席してコメントまでしていました。

夜のカクテルパーティにも参加して、みんなと会話をしていました。

ベック先生は96歳です。

脚が弱って車椅子の生活です。

目の病気のために、視力はほとんど失われています。

それだけのハンディキャップがありながら、ベック先生はみんなと笑顔で元気に話をしていました。

その表情は輝いていました。

私の下手な英語にも熱心に耳を傾けて、これからの方向性についてコメントまでもらいました。

人のこころの力というのは不思議なものです。

いくら肉体的に不自由な部分があっても、こころの中に夢があれば生き生きと自分らしく生きていくことができるのです。

そのことをベック先生は身をもって示してくれています。

それは、精神的にハンディキャップがあっても同じだと、私は考えています。

ハンディキャップというのは、苦手分野と言い換えることができます。

肉体的にしても、精神的にしても、ハンディキャップ=苦手分野があるということは、裏返せば、それ以外の部分の健康さ、つまり得意分野が残っているということです。

その健康さ=得意分野を活かせるようにするのが、生きがいであり夢です。

認知行動療法を広め、多くの人に役立ててほしいという夢を持ち続けて元気に活動しているベック先生の姿を見て、私はそのことを確信しました。

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◆大野裕先生講演会情報
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