こころトーク

2018.01.12

第120回 「『反省』と『後悔』」

先週の土曜日に日野市で講演をしました。

全国自死遺族総合支援センターの人たちが日野市と一緒に毎年開いている講演会です。

全国自死遺族総合支援センターというのは、自分にとって大切な人を自死(自殺)でなくした人たちを支援するために作られた特定非営利活動特定法人で、活動の中に認知行動療法を取り入れたいという希望があり、私も少しお手伝いをさせていただいています。

日野市の講演会には多くの方に参加していただき、何人か、知っている人にもお会いすることができました。

皆さん熱心に耳を傾け、最後には活発に質問をしていただきました。

質問は深刻なものも多く、そうした質問を多くの人の前ですること自体に、その人の切迫感が伝わってきます。

その中に、子どもさんとの関係に悩むお母さんの質問がありました。

子どもといっても、いまはすでに成人されているようです。

これまで色々あって、いまは疎遠になっているとのことです。

その人は、何とか関係を修復したいと考えていらっしゃるのですが、相手が受け入れてくれず、そのまま時間が過ぎていっています。

過去のことが思い出され、あのときこうすれば良かったと考えるのですが、もう手遅れでどうしようもないとおっしゃっていました。

たしかに、過去のことは変えようがありません。

“覆水盆に返らず”です。

後悔しても変えようがないのです。

しかし、反省はできます。

「反省はするが後悔はしない」と、国民栄誉賞を受賞することになった羽生善治さんが書いているのを読んだことがあります。

過去の出来事を振り返りながら、何が良くなかったのかを考え、いま何ができるかを考えていくのが反省です。

「どうしようもない」と決めつけてしまうと、本当にどうしようもなくなります。

これから先、何が起きるかはわかりません。

生きていくうちには、思うようにいかないこと、つらいことがたくさん起きてきます。

そうしたときに、反省すべきことは反省して、しかしいまできることを丁寧に積み重ねていけば、この先変わってくることが必ずあると、質問した人に答えました。
 

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