先週、気持ちが動揺したときには、それをきっかけにちょっと立ち止まって一息入れると良いと書きました。
そうすることで、そのとき浮かんでいた考え、いわゆる自動思考を振り返って、自分が期待する現実を作り出せる可能性の高い行動を試してみる余裕が生まれてくるからです。
そのことをある人に話をしたところ、気持ちが動揺したときといっても程度の差があるのではないかと言われました。
だから、気持ちが揺れたからといって立ち止まっていたのでは、先に進めなくなると言うのです。
たしかにその通りで、立ち止まってばかりだと生活に支障が出てきます。
ですから、日常生活では、困った感が出ているときに立ち止まるようにするのが良いと思います。
ただ、そうすると、忙しくしているときには、困った感をつい見逃してしまうことになりかねません。
そうならないためには、次の二つのことを注意するようにすると良いでしょう。
ひとつは、毎日の生活のなかで、自分の状態を振り返る時間を少しで持つように意識することです。
もうひとつは、自分の苦手な場面を意識しておいて、そうした場面で自分がどのようにしているかをちょっと冷静になって振り返ってみるようにすることです。
今回はまず、自分の生活のなかに自分を振り返る時間を持つことについて書いてみます。
私たちは忙しくしていると、まわりに目を向ける余裕がなくなってきます。
自動車を運転しているときに、スピードを上げると、目の前しか見えなくなって、まわりに注意が向けられなくなるのと同じです。
スピードを上げなくてはならない場面があるのはたしかですが、スピードを上げたまま走り続けていると、肉体的にも精神的にも疲れてきます。
道を間違えていても気づかないということさえ起こってきます。
そうしたときには、ちょっとパーキングエリアに立ち寄って、一息入れることが役に立ちます。
日常の生活でも同じです。
自分が疲れたと気づく前に一息入れて自分を振り返る工夫をすることがこころの健康を高めるのに役立ちます。