こころトーク

2018.06.08

第141回 「身近で大切な『問題解決技法』」

教育の現場で認知行動療法を活用している教員を中心とした「認知行動療法教育研究会」という組織があります。

そのホームページに掲載するための原稿について相談がありました。

問題解決技法をテーマにした原稿です。

問題解決技法は、日常生活で困ったときによく使う方法で、認知行動療法でも大切な技法の一つです。

しかし、研修会などで問題解決技法をテーマに話をして、グループワークをしてもらうと、苦労する人が意外と多いことに気付きます。

私たちが、自然にできていると思い込んでいて、ポイントをきちんと理解していないようです。

それに、日常的によく使われる方法だからでしょうか。

当たり前にできる方法だと考えられていて、認知再構成法や行動活性化技法と比べると影が薄い感じがあります。

もちろん、困った問題に出会ったときに、そのときの考え(自動思考)に目を向ける必要があります。

ですから、認知再構成のスキルを身につけることは大事です。

「どうせ何をやってもダメだ」と考えてあきらめたり、「何で自分だけこんな目に遭うんだ」と考えて腹を立てたりしていると、冷静に問題に向き合うことができません。

ですから、まずはそのときの考えに目を向けて気持ちを落ち着け、きちんと問題に向き合うこころの状態を作り出すようにします。

そのうえで問題に取り組むのですが、そのときにとくに二つ、気をつけてほしいことがあります。

「問題の絞り込み」と「解決策の案出」です。

困った問題にうまく対処できないで困っている人の話を聞いていると、何が問題かを具体的に絞り込めていない人が少なくありません。

問題が具体的に分からないと、解決策を考えようがありません。

もうひとつ、「解決策の案出」ですが、これも問題にうまく対処できていない人は、一つの解決策にこだわっていることがよくあります。

しかし、その解決策でうまくいっていないのですから、それにこだわるのは得策ではありません。

こうした「問題の絞り込み」と「解決策の案出」については、次回にもう少し説明していくことにします。