先週は、上手に問題を解決するには、まず問題を絞り込むことが大事だということを書きました。
問題解決がうまくいかないとき、大きな目標を一気に達成しようとしたり、すぐにはどうすることもできない問題をはやく解決しようとしたりしていることがよくあります。
問題があって困っているのですから、少しでもはやくそれを解決したいと考えるのは自然なことです。
しかし、あまり焦りすぎると、冷静な判断ができなくなります。
結局は気持ちが空回りして、うまくいかなくなります。
そうすると、ますます自信がなくなってきて、本来持っている自分の力を発揮することができなくなります。
「千里の道も一歩から」という昔の人の言葉は今でも大事です。
一歩一歩着実に進んでいくことで、最終的には目標にたどり着きます。
ただ、このとき、きちんとした方向に向かえているかどうかを注意しなくてはなりません。
いくら一歩一歩進んでいっていたとしても、まったく違った方向に向かっていたのでは、後で大変なことになります。
そうしたことを避けるためには、最終的にどのようになれば良いのか、どのようになってほしいのか、といったことをきちんと意識できていることが大事です。
私たちは問題が目の前にあると、それを何とか解決したいと考えますが、
それにとらわれてしまうと、本当に大切なものが見えなくなってしまうことがあります。
たとえば、仕事がうまくいかないとき、勉強が思うようにはかどらないとき、スポーツで思うような成果が上がらないとき、私たちが出会う問題は実にさまざまです。
もちろんこうした問題を解決できると良いのですが、それができないこともあります。
そうしたときには、できることから一つひとつ取り組んでいく必要があるのですが、同時に、何のためにそれをしているのかを忘れないようにしなくてはなりません。
仕事をするのは、それが好きだから成果を上げたいということなのかもしれません。
そのときにはきちんと成果を上げられるように計画を立てる必要があります。
仕事をするのは、家族のためだという人もいるでしょう。
そのような人は、家族との時間を大切にするなかで、どの程度仕事をするかを考える必要が出てきます。
これは仕事に限らず、勉強でもスポーツでも同じです。
問題に取り組むときには、自分が進みたい方向を忘れないようにしましょう。