思いがけない問題が起きると、誰でも動揺してしまいます。
そうしたときには、どうしても問題を大きく考えがちです。
突然の出来事ですから、対応する準備ができていません。
そのようなときには、まず良くない可能性を考えて対応策を考えた方が安全です。
その後、思っていたほど悪い出来事ではないということがわかれば、それはそれで適切に対応できます。
しかし、その逆に、簡単な問題だと考えて、実際は大きな問題が隠れていたことが分かると、その後の対応が大変になります。
対応が後手後手に回って、結局はもっと問題が大きくなって対応できなくなりかねません。
社会的に不祥事と呼ばれる出来事が起きたとき、対応が遅れて批判されるようになった事例は、テレビや新聞でよく目にします。
そのような状況に陥らないようにするためには、素早く、最悪の事態を考えて対応策を考えるようにしなくてはなりません。
初期対応が大切だと言われるのはそのためです。
初期対応が大切なのは、そのように社会的な問題になる大事件だけでなく、私たちの日常生活でも同じです。
仕事や勉強でちょっとしたミスを見つけて、大きな問題になったらどうしようと考えてドキッとした経験をした人も多いでしょう。
このようなとき、誰もが、仕事や勉強のミスのために自分が困った立場に立たされる場面を、瞬間的に想像したり考えたりしています。
だからこそ、そうならないための手立てを考えようという気持ちになれるのです。
このように考えてくると、突然の出来事が起きたときに、まず悪い可能性を考えるのは自分を守るために必要なことだと分かります。
こころのブレーキを使って、危険な状況を避けようとするのです。
それはそれで大切なのですが、その一方で、悪い可能性ばかり考えるとブレーキがかかりすぎてしまいます。
心配で先に進めなくなるのです。
そうしたときには、一度現実に目を向けて、何が起きているのかを確認し、その出来事の深刻度を冷静に判断しなくてはなりません。
そのうえで、どのように対応すれば良いか、手立てを考えていくようにします。