こころトーク

2018.09.07

第154回 「その心配、「危険度」はどのくらい?」

先日は、強すぎる不安に対処する方法としてエクスポージャー(暴露)と呼ばれる方法が役に立つと書きました。

心配だからといって逃げるのではなく、心配を感じている場面に一歩足を踏み入れて、どの程度危険なのか確認をする方法です。

ディビッド・クラークという不安症の認知行動療法を専門にしている人が、世の中で一番危ないのは不安を感じている人の頭のなかだと言っています。

現状が分からないまま頭の中で心配なことを考えていると、不安はつのるばかりです。

だからといって、本当に危険な場面に安易に入っていくのは、良い方法とは思えません。

何が起きるのか、状況が分からないときには、一気に心配な場面に足を踏み入れるのではなく、どの程度危険か、少しずつ確認していく方が良いでしょう。

このように少しずつ確認するために優先順位をつけることを、専門的には段階的課題設定と言います。

イメージとしては、どのくらい熱いか分からない風呂に入るときのようなものです。

どのくらい熱いか分からないときに、何も考えずに飛び込んだりはしないでしょう。

熱湯だったらやけどしてしまいます。

逆に、全然温まっていなければ、ガッカリです。

そうならないように、私たちは、まず指先をちょっとお湯のなかに差し込むでしょう。次に手のひらをお湯につけ、大丈夫そうならその手のひらでお湯をすくって脚にかけてみる。

次に足をつけ、腰まで入り、そして全身をお湯に浸す。

これが、段階的課題設定を使ったエクスポージャー法です。

このとき、もう一点気をつけるのは、熱いかどうかすぐに判断しないようにするということです。

手をお湯につけたとき、最初は熱いと感じても、少し経つとそんなに熱く感じなくなります。

身体が熱さに慣れてくるからです。

不安も同じです。

最初は不安に感じても、少し経ってその場面になれてくると不安は軽くなってきます。

身体の反応も収まってきます。

ですから、すぐに危険性を判断するのではなく、可能な範囲で時間をかけて判断することも大事です。
 

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■大野先生講演情報
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【1】「こころを元気にする3つのヒント」
日時 : 2018年9月8日(土)13時半~15時半(13時開場)
会場 : 静岡市清水文化会館「マリナート」大ホール
http://www.city.shizuoka.jp/821_000040.html
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【2】「こころと脳の健康フェス」
日時 : 2018年10月8日(月・祝) 12時半~16時(12時開場)
会場 : 海老名市文化会館 小ホール
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