こころトーク

2018.09.14

第155回 「緊張すると「手に汗握る」理由とは?」

ここまで繰り返し書いてきましたが、危険な状況で不安になるのは自然な心の反応です。

実際に危険でなくても、危険かどうか分からないときにも、同じように不安を感じます。

それもまた、自分を守るためには大切な心の働きです。

そのようなときには、心だけでなく身体も守りに入っています。
心と身体は一体になって動きます。

よく「手に汗握る」と表現されますが、緊張するとまさにその状態になってきます。

緊張しているときには、手のひらや足の裏にじっとりと汗が浮き出てきます。

意識してそうしているわけではなく、自然に心に身体が反応してそうなるのです。

手のひらに軽く汗をかくのは、危険な状況で木の枝やこん棒を持って闘わなくてはならなくなったときに、しっかりと握れるようにしようとする自然な身体の反応です。

足の裏が汗で濡れるのは、闘うにしても逃げるにしても、しっかりと大地を踏みしめられるようにするためです。

身体に力が入るのも、思い切り力が出せるようにするためです。

このように、こうした身体の反応は力を出すために必要なものですが、それが行き過ぎると逆効果になってしまいます。

手のひらに汗をかきすぎると棍棒が滑ってしまいますし、足の裏の汗がひどくなると滑ってしまいます。

身体に力が入りすぎると、効果的に力を入れることができなくなりますし、バランスを崩してしまうこともあります。

しかし、そこで問題なのは、こうした身体の反応が、とっさに自分を守ろうとして起きてくるもので、ほとんど意識できないことです。

緊張しすぎないようにしようと考えていても、気がついたらそうなっていたということがよくあります。

皮肉なことですが、緊張しないようにと考えれば考えるほど、緊張してきます。

考えを使って緊張を解くのは、とても難しいのです。

身体の緊張を解くためには、身体を使う方が簡単です。

その手立ては、二つあります。

ひとつは、少し緊張してきたときに、それ以上緊張しないように予防することです。

もうひとつは、緊張していることに気づいて、その緊張状態から抜け出す手立てを取ることです。

具体的な方法は、次回、説明したいと思います。
 

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