前回は、不安になったり緊張したりするのは、危険に直面する可能性のある状況に対応しようとするこころや体の自然な反応だと書きました。
ほどほどに不安を感じたり緊張したりすることで、私たちは危険から身を守っています。
しかし、それが極端になりすぎると、こころや体が固まって危険な状況にうまく対処できなくなります。
だからといって、怖いと考えて問題から目をそらしていると、いつのまにか問題が大きくなりすぎて、対応できなくなってしまいます。
そうならないためには、少しくらい不安になったり緊張したりしたとしても、怖がりすぎずに問題に向き合うことが大切になります。
頭のなかでいくら考えても、その問題に対処できるかどうかはわかりません。
実際に問題に取り組んで、確かめてみる必要があります。
それが大事だと思うのなら、たとえ怖かったとしても、行動して確かめなくてはなりません。
そのときには、できることから少しずつ取り組むようにします。
いくつか課題を決めて、少しずつそれをこなしていくようにするのです。
できるかできないか、白か黒かで考えないで、まずできそうなことから取りくんで、最終的に目標に到達できるようにしていきます。
取り組む課題を決めるときには、頭のなかだけで考えないで、紙に書き出すようにしたほうが良いでしょう。
頭のなかだけで考えていると、いろいろな考えが浮かんできてまとまらなくなります。
目に見えるように紙に書き出してみると、冷静に課題に向き合えるようになります。
そのとき、難しさを点数化してみると、課題を順番に並べやすくなります。
紙を用意して、最初に、「いまは無理かもしれないけれども最終的にできるようになりたいと考えていること」を書き出します。
これは、最終目標ですから難易度を100点にします。
次に、「いますぐにでもできそうなこと」を書き出します。
簡単にできることですから、難易度は0点です。
その中間くらいの課題を考えて、これには50点をつけます。
次に0点と50点の間の課題、50点と100点の間の課題を考えて、10~15個くらいの課題を考えて並べてみて、その課題に順番に取り組んでいくようにします。
専門的には不安階層表と呼びますが、これが不安を感じすぎずに、不安なことに取り組む第一歩です。
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■大野先生講演情報
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【1】「こころと脳の健康フェス」
日時 : 2018年10月8日(月・祝) 12時半~16時(12時開場)
会場 : 海老名市文化会館 小ホール
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