こころトーク

2018.10.26

第160回 「認知行動療法の父、アーロン・ベック先生」

今日からフィラデルフィアにあるベック研究所に出かけてきます。

ベック研究所は、認知行動療法の創始者のアーロン・ベック先生が研修、研究、治療のために開設した研究所です。

明日(土曜日)、ベック先生にゆかりの人たちが集まる会が開かれるので、今日出かけて月曜日に帰国するというとんぼ返りで、その会に参加することにしました。

このメールが皆さまのお手元に届くときには、私はフィラデルフィアに向かう飛行機のなかです。

この会は昨年も開かれたのですが、そのとき、ベック先生はずっと参加して耳を傾けコメントをしていました。

ベック先生は、今年で97歳です。

病気のために目はほとんど見えず、車椅子の生活ですが、いまだにみんなの前に顔を出して自分の考えを伝えようとしています。

認知行動療法を提唱してから30年ちかく、ほとんど見向きもされなかった認知行動療法が世界的に注目されるようになったのが嬉しいのでしょう。

目が見えず脚が使えないというハンディキャップを抱えながら、元気に活動を続けています。

先日、『ベックの統合失調症の認知行動療法』というベック先生たちの本の日本語版を岩崎学術出版社から出版したのですが、そのとき、日本語版に向けての「まえがき」を書いてほしいとメールでお願いしました。

それに対して、ベック先生から、研究で忙しいから娘のジュディス・ベック先生に書いてもらうことにしたいと返事が届きました。

この年になってもまだ精力的に研究を続けているベック先生のエネルギーには、驚いてしまいます。

自分の考え出した治療法を使って悩んでいる人の助けになりたいという思いが、それだけ強いのでしょう。

昨年、ベック先生は、自分の不遇時代、娘のジュディス・ベック先生を自分の考えを話す相手にしていたと懐かしそうに話していました。

自分の話に誰も耳を傾けてくれないので、まだ中学生だった娘に話して誉めてもらえるのが心の支えになっていたというのです。

こうしたベック先生話を聴きながら、自分なりの夢を持つことと、それを支えてくれる信頼できる人が存在していることの大切さを改めて感じました。

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■大野先生講演情報
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【1】長野うつ病 市民公開講座
「ストレスを味方にする4つのステップ」
日時 : 2018年10月28日(日) 10時半~12時(開場:10時)
会場:ホテル国際21 3F 千歳の間
詳細はこちら→ https://bit.ly/2ynmH9h

【2】秋田ふきのとう県民運動大会
「認知行動療法を使ってこころを元気にする」ほか
日時 : 2018年11月28日(水) 13時半~16時20分
会場 : 秋田県生涯学習センター 3階講堂
詳細はこちら→ http://www.fuki-no-tou.net/

【3】「こころを軽くする3つのステップ」
日時 : 2018年12月2日(日) 14時~16時(開場:13時半)
会場 : 千葉県白井市保健福祉センター2F検診室
問い合わせ先:千葉いのちの電話事務局(043-222-4416)
   メール:ll-chiba@chiba-inochi.jp

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