こころトーク

2018.10.26

第161回 「ベック先生に見る「夢を持つことの大切さ」」

前回も書きましたが、先日、ベック研究所の集まりに出かけてきました。

ベック・インスティテュート・サミットと呼ばれる、認知行動療法の創始者のアーロン・ベック先生にゆかりの人が集まる内輪の会です。

100人くらいの認知行動療法の専門家が、米国はもとより、世界から集まって認知行動療法の現状について話し合いました。

ベック先生も一日中、会合に出席して積極的にコメントや質問をしていました。

何人かの専門家が壇上で話し合いをするラウンドテーブル・ディスカッションにも参加をして、認知行動療法をどのように地域の活動にいかしていくかについて、ご自分の考えを時間をかけて話していました。

娘のジュディス・ベック博士が、身体には制限があるが頭はしっかりしていると冗談めかして言っていましたが、97歳とは思えないタフさです。

自分の考えた治療法をいろいろな場面で活かして欲しいという夢がそのエネルギーの源だろうということは、先週も書きました。

このように「夢を持つことが大事だ」と書くと、「自分はそんな大きな夢を持つことはできない」と言う人がいます。

気持ちが沈み込んで自信をなくしている人は、とくにそのように考えるようです。

「夢」という言葉にはキラキラ輝いている未来といったイメージがあるので、自分にはそのような夢は持てないと考えるのでしょう。

しかし、私が「夢」という言葉で伝えたいのは、そのようにキラキラ輝いている未来ではなく、自分が生きていく道筋のようなものが見えていることが大事だということです。

いろいろな問題が目の前にあって苦しいとき、私たちは目の前の問題にこころを奪われてしまいます。

問題にうまく対処できないと、その先すべてがダメになったように考えてしまいます。

自分で自分の扉を閉ざしてしまうのです。

そのとき、もう一度、冷静な自分を取り戻し、もともと実現したいと考えていた目標やその道筋を思い出すこと、そのことを「夢を持つこと」と私は表現しています。

その「夢」を意識することができれば、目の前の問題に落ち着いて取り組むことができるようになります。

自分が期待していた現実に少しでも近づくにはどのようにすれば良いか、具体的に考えることができるようにもなります。

私も、小さいながらも「夢」を意識することで、ここまで歩いてくることができました。

——————————————
■大野先生講演情報
——————————————
【1】長野うつ病 市民公開講座
「ストレスを味方にする4つのステップ」
日時 : 2018年10月28日(日) 10時半~12時(開場:10時)
会場:ホテル国際21 3F 千歳の間
詳細はこちら→ https://bit.ly/2ynmH9h

【2】秋田ふきのとう県民運動大会
「認知行動療法を使ってこころを元気にする」ほか
日時 : 2018年11月28日(水) 13時半~16時20分
会場 : 秋田県生涯学習センター 3階講堂
詳細はこちら→ http://www.fuki-no-tou.net/

【3】「こころを軽くする3つのステップ」
日時 : 2018年12月2日(日) 14時~16時(開場:13時半)
会場 : 千葉県白井市保健福祉センター2F検診室
問い合わせ先:千葉いのちの電話事務局(043-222-4416)
   メール:ll-chiba@chiba-inochi.jp