こころトーク

2018.12.07

第167回 「認知行動療法をどのように学んだか」

夏の後半から秋にかけては研修会や学会が目白押しで、ほとんど休みが取れない状態が続いています。

先日岡山で開かれた日本認知療法・認知行動療法学会の学術集会では、私がどのようにして認知行動療法を学んだかについて話して欲しいと頼まれました。

自分の勉強の体験を話せば良いと気軽に引き受けたのですが、実際に発表の日が近づいてくるにつれて、何をどのように話せば良いか迷うようになりました。

認知行動療法を勉強として学んだのはもちろんですが、それ以上に、成長する過程で気づいたことが私の認知行動療法の学習にずいぶん役立っていることに気づいたからです。

認知行動療法は常識の精神療法と呼ばれるほど毎日のこころのあり方に深く関係しています。

ですから当然と言えば当然なのですが、自分の個人的な体験の大切さに気づいて、結局は私の生まれ育ちから話すことにしました。

その内容はこの「こころトーク」でも書いたことがありますが、実際人前で話すとなると、過去の写真なども取り出して見やすく構成する必要があり、前日の深夜までかかって何とか発表用の資料を作りました。

それだけ頑張って準備しただけに、聴衆の皆さんに喜んでいただける話ができたように思います。

ただ、後で振り返ってみて、「種を蒔く」という話が十分にできなかったのが少し残念に思いました。

「種を蒔く」というのは、ニューヨークで私を直接指導してくれたバルック・フィシュマン先生がよく使っていた言葉です。

私たち専門家は、自分の考えをつい押しつけてしまうことがあるが、それでは相談に来ている人が自分で考え、自分で成長していくことができない。

相談に来ている人にゆっくりと耳を傾け、その人の気づきにつながるようなヒントをちょっとだけ伝える。

そのようにこころに種を蒔いていれば、いずれその人は、生活のなかでそのヒントを生かせる時期が来るので、決して焦らないで見守ることだ。

そのようにフィシュマン先生は言っていましたが、これは毎日の生活にも生かせる助言です。

私の慶応時代の恩師の小此木啓吾先生は、若かった私に、まずじっくり勉強して基礎固めをすることを勧めていました。

これもまた、人生には種まきをする時期が必要だという教えだと思います。

私は、精神療法(心理療法)を勉強するなかで、自分の生き方も学びました。
 

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■大野先生講演情報
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【1】「こころを軽くする3つのステップ」
日時 : 2018年12月8日(土) 10時~12時(開場:9時半)
会場 : 千葉県山武市役所3階 大会議室
詳細はこちら→ https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/kokoro/koukaikouenkai301208.html

【2】「こころの不安・モヤモヤを解消する方法~重たいこころが軽くなるコツ~」
日時 : 2018年12月9日(日) 14時~15時半(開場:13時半)
会場 : 清水町福祉センター(静岡)
詳細はこちら→  https://mishima.mypl.net/event/00000310718/

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