こころトーク

2019.09.27

第209回 「巨人・阿部選手を救った原監督の声かけ」

巨人がリーグ優勝を飾りました。

私は今はどの球団をひいきにしているということはありませんが、私が子どもの頃は、誰もが「巨人、大鵬、卵焼き」が好きでした。

愛媛の田舎出身の私も、「巨人、大鵬、卵焼き」が好きでした。

おもちゃといえば小さいブリキの船をひとつ持っているだけで、家にテレビが入ったのも小学校5年生や6年生の頃だったように思います。

大鵬の相撲や巨人の野球を見るくらいしか娯楽がなかったのです。

巨人軍のリーグ優勝のニュースに接して、自分の子ども時代を思い出して、何とはなくネットを見ていました。

すると、阿部慎之助選手が自分の体験を語っているスポニチのニュースが目に入りました。

そこに書かれていた阿部選手の体験は、認知行動療法的に意味があるので、ここで紹介したいと思います。

阿部選手は、今季、4年ぶりの捕手復帰を目指していました。

その頃、阿部選手は「病んでいた」そうです。

「うつっぽく」なって身体が重く、いつもの2割くらいしか身体が動かなかったといいます。

思うようにヒットを打つこともできません。

そうしたこころの状態が影響したのでしょうか、3月中旬に故障をして捕手復帰を断念せざるを得なくなりました。

そのときに、原辰徳監督から「気楽にいこう」とLINEが入ったそうです。

このように信頼できる人からの声かけは、こころの支えになります。

その後、試合前の練習中に、原監督が、「将来のために自分が監督だと思って野球を見なさい」と声をかけたと言います。

これも、認知行動療法的には素晴らしい声かけです。

目の前の問題にこころを奪われると、視野が狭くなってつらくなる。

だから、そのときの気持ちに振り回されずに、自分から距離を置こう。

しかもそのときに、自分は君の将来に期待しているし、君自身も君の将来の自分の可能性を見失わないようにしよう、と伝えています。

まさに、先週紹介した「アスピレーション」に目を向けた声かけです。

その後、阿部選手は代打や一塁手として出場して、6月には通算400本塁打を達成しました。

巨人軍で通算400本塁打を打ったのは、ON(王選手、長嶋選手)に続いて3人目です。