こころトーク

2019.10.11

第211回 「楽観的なだけではない『ポジティブ思考』」

先週は、原始時代から続いている、「短期的な判断はネガティブ、長期的な判断はポジティブ」という私たちの思考パターンについて紹介しました。

原始時代、一日動き回っても獲物が手に入らないときに、「このままでは飢え死にしてしまう」とネガティブに考えて危機感を持つのは自然なこころの動きです。

しかし、その一方で、「いろいろと工夫をしたり、お互いに助け合ったりすれば何とかなるだろう」と楽観的に考えることで、困った状況を切り抜ける手立てを考える、こころの余裕が生まれてきます。

あれこれ良くない可能性ばかりを考えて思い悩んでいたのでは、こころの元気が失われ、力がわいてこなくなります。

良いアイディアもわいてきません。

ですから、状況が良くなっていく期待を持ちながら、その方向に進む手立てを考えるこころのゆとりを持つことが大切なのです。

だからといって、何の根拠もなく楽観的に考えていても、状況は変わってきません。

自分は何もしないで、人まかせにしているだけでは、責任を持って問題解決に取り組むことはできません。

ここで大事なのは、何の根拠もなく「うまくいくだろう」と楽観的に考えることではありません。

危機意識を持ちながら、いろいろと工夫をしたり手立てを考えたりすることが大切なのです。

困りごとが起きたときには、自分が責任を持って行動しなくてはなりません。

少なくとも今は良くない状況にあるのですから、そうした現実に目を向けるのはつらいかもしれません。

しかし、そのつらい現実に目を向けると、どのようなことがうまくいっていて、どのようなことがうまくいっていないのか、見えてきます。

そうすれば、どこにどのように力を入れれば良いのかも、わかってきます。

ポジティブ思考というのは、このように、将来の可能性を考えながら今の問題に辛抱強く取り組んでいく考え方です。

もちろんすぐにうまくいくとは限りません。

時間がかかることも多いかもしれません。

それでも将来の可能性を考えていまできるだけのことをする。

それを可能にする考え方をポジティブ思考と呼びます。

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