日本で開催されたゴルフトーナメント(ZOZOチャンピオンシップ)を制し、タイガー・ウッズ選手が世界トップの通算勝利記録に並ぶ82勝を挙げたことが話題になりました。
松山英樹選手が優勝できなかったのは残念な気持ちがしますが、それにしても深刻な体の不調やスキャンダルにも負けないで見事復活し、大記録を立てたウッズ選手の力には驚いてしまいます。
タイガー・ウッズ選手の活躍を観ていると、プレッシャーなど感じることがないのではないかと感じてしまいます。
しかし、必ずしもそうではないようです。
以前に読んだ本に、プレジデンツカップのエピソードが書かれていました。
プレジデンツカップというのは、米国の選手のチームとその他の国の選手のチームが戦うゴルフの試合です。
2003年の試合では、お互い同点になり、両チームの代表のタイガー・ウッズ選手とアーニー・エルス選手が対戦して、1ホール勝てばその時点で優勝が決まるというサドンデス方式で決着をつけることになりました。
そのときの両チームの監督は、ジャック・ニクラスとゲーリー・プレーヤーと、これまた華やかな経歴を持つ二人ですが、結局3ホールまで引き分けが続いた時点で試合を終えることにしました。
それは、ウッズ選手とエルス選手のストレスが頂点に達して、それ以上続けられないと判断したからです。
そのとき、ウッズ選手は、仲間からの応援がストレスだったと言っています。
応援がストレスというのは意外な感じがしますが、仲間の期待を裏切ってはいけないという思いが強くなったのでしょう。
これが観客からの応援であれば、自分のベストのプレイを見せようと自分中心に考えて、自分のために力を集中することができます。
ところが、仲間の期待を裏切ってはいけないと考えると、主役が仲間になってしまって、自分のために力を集中することができなくなります。
仲間から見放されると一人では食べていけないという原始時代の不安が襲ってきて、集中して力を発揮できなくなるのでしょう。
そうしたときに、仲間のためにも自分の最大の力を発揮することが大事だと自分中心に切りかえることができると、そこで発揮できるパフォーマンスはずっと大きくなります。