こころトーク

2019.11.15

第216回 「つらく大変な状況での不眠に悩んだら」

先週末は、土曜日に長野県須坂市で、そして日曜日に長野市で講演をする機会をいただきました。

長野市の講演は長野市医師会が主催で毎年開かれ、今年で8年目になります。

須坂市の講演は、昨年の長野市の講演会に参加した保健師さんが企画していただいて実現したものです。

その保健師さんから、少し前に、台風19号の被害にあった人たちや、その支援に当たっている人のこころを元気にするような内容を盛り込んで話してほしいと依頼がありました。

長野市の医師会の方からもそのようなお話をいただきました。

多くの方が心を痛め、お互いに気遣われているようです。

そこで、東日本大震災のときの体験をもとに、住民の方々の助け合いがお互いのこころの健康につながるという話をしました。

そのなかでは、落ち込みや不安、さらに不眠について話をしました。

こうしたときに、睡眠について理解しておくことは大事だと考えたからです。

災害後の大変な状況では、やらなくてはならないことがたくさんあります。

ですから、よく睡眠を取ってからだを休めなくてはならないと考える人が少なくありません。

東日本大震災のときには、そのようなことをSNSで発信しているメディアもありました。

しかし、このように大変な出来事に出合ったときに眠れなくなるのは、私たちのからだの自然な反応です。

「眠っているような状況ではない」とからだが警告を発しているのです。

考えてみると、こうした反応は原始時代から私たちのからだに備わっている能力と考えることができます。

動物に襲われる可能性があるときにぐっすり眠っていては危険です。

ですから、危険なことが起きる可能性があるときに眠れないというのは自然な反応です。

逆に、そのようなときに眠らないといけないとプレッシャーをかけてしまうと、肉体的にも精神的にも負担になってしまいます。

ですから、そうしたときには、眠くなったら寝て、目が覚めたら起きるという、からだの自然な動きに任せて生活する方が良いでしょう。

そして、しばらく経って、自然な生活が少しずつ戻ってきたところで、生活のリズムを取るようにします。

そのポイントについては、次週に解説することにします。

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