こころトーク

2019.12.06

第219回 「不安なときに役立つ『2分ルール』とは?」

先日、あるプロ野球球団の2軍の監督やコーチの前で、認知行動療法を使ったこころの整え方の話をする機会がありました。

プロ野球選手に限ったことではありませんが、プロの選手はかなりのストレスを毎日感じています。

そうした選手たちの指導をする場合、技術はもちろんですが、こころの面にも気を配る必要があると考えて、私に声をかけていただいたのです。

このような依頼があって、野球というのは動かないスポーツだということに、初めて気がつきました。

テレビで野球中継を観ていると、動いている人ばかりが映し出されます。

ボールを投げる投手、バットを振る打者、飛んだ球を拾う野手、どの選手も動いています。

恥ずかしいことに、そうした映像に目を奪われ、野球=スポーツという思い込みもあって、みんなが動き回っていると思い込んでいました。

まさに認知の偏りです。

冷静に考えてみると、攻撃側のチームの選手はほとんどがベンチの中にいます。

グランドで守備についているチームの選手はボールが飛んでこない限りほとんど動かずに守りの体勢を続けています。

テレビに、そうした人たちばかりが映し出されるのは、そうしないと視聴者が退屈するからにすぎません。

そのように考えていくと、動かないでいるときのこころの整え方をまず考える必要があることに気づきます。

そのときに一番大切なのは、あれこれ考えすぎないようにする工夫だと、私は考えました。

「下手の考え休むに似たり」という言葉がありますが、時間があると、つい余計なことを考えてしまいます。

それも良くない可能性を考えるのが、私たちの脳の基本的なパターンです。

悪いことが起きたときにうまく対処できるようにという思いでそうなるのですが、そうすると不安な気持ちが強くなって、目の前の試合に集中できなくなってきます。

その結果、考えが自然な身体の動きの邪魔をして、本来持っている力を発揮できなくさせてしまうのです。

こうしたことにならないようにするためには、「2分ルール」が役に立ちます。

いま考えていることが役に立つかどうか、2分間だけ観察して、役に立たないとわかったときには考えるのをやめるようにします。

この「2分ルール」は、日常生活のいろいろな場面で役に立ちますので、試してみてください。

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